kWとkWhの違いとは? 意外と知らない電力の単位

kWとkWhの違いとは? 意外と知らない電力の単位

自分が使った電気の量を把握し、そこから電気代を類推するには、電力の単位をきちんと理解することが重要です。電力の単位には、家電の仕様書などでよく見かける「kW(キロワット)」と、電気代明細書などに記載されている「kWh(キロワットアワー)」というふたつの単位があります。

今回は、この違いをわかりやすく解説しましょう。

kWは使用電力を示す単位

電力を表す基本の単位は「W(ワット)」。たとえば、50W と書かれた電球の場合、光らせるのに50W の電力が必要なことを示しています。100W の電球は50W よりも明るく照らすことができますが、当然多く電力を消費することになります。

なお、電力「W(ワット)」は、電流(電気の流れる量、単位はA:アンペア)×電圧(電気を流す力、単位はV:ボルト)で示されます。通常、家庭用の電圧は交流100Vですから、50Wの電球には0.5Aの電流が流れ、電球が光ることになります。

kWhは使用電力×時間の単位

「W(ワット)」に「h(アワー)」を加えた「Wh(ワットアワー)」は、その名の通り、電力×時間を示す単位です。つまり電力量を指します。

電力量=(電力)×(時間)ですので、たとえば消費電力50Wの電球を1時間(1h)つけっぱなしにした時の電力量は、
50W×1h=50Wh。

毎朝、髪を乾かすのに消費電力1,200Wのドライヤーを5分使うとすると
1,200W×(5分/60分)=100Wh

が消費電力量となります。

ちなみに、k(キロ)は1,000倍を意味しますから、1kW(キロワット)=1,000W。よって100Wh=0.1kWhとなります。

使用時間から、電気料金を計算してみよう

電気料金を1kWhあたり26円として消費電力量から電気料金を計算してみましょう。

まずは50Wの電球を1時間(1h)つけっぱなしにした場合。この場合の消費電力量は50W×1h=50Wh=0.05kWhとなるので、電気料金は0.05kWh×26円=1.3円となります。24時間つけっぱなしにした場合は約31円、1週間つけっぱなしだと218円が毎月の電気代に加算されることとなります。

また、髪を乾かす際に使うドライヤーは消費電力の多い家電の代表格。たとえば、一般的なドライヤーの場合、ターボ時には1,200W程度の電力を消費します。仮にターボ(1200W)で5分間使用すると、消費電力量は1,200W×(5分/60分)=100Wh=0.1kWh。これを電気料金に換算すると0.1kWh×26円=2.6円となります。これを家族5人、全員が同じ条件で使用すると、電気料金は1日13円、1カ月で390円となります。

電子レンジは「定格消費電力」に注意

次に、電子レンジの場合を見てみましょう。電子レンジには「定格高周波出力」と「定格消費電力」という、電力に関する2つの表記があります。シンプルに説明すると「定格高周波出力」は食品を加熱するために必要な電力だけを表したもの。一方「定格消費電力」は、レンジ内のライト、ターンテーブルを動かす電力、またモニターを表示する電力など電子レンジを動かすためのすべての電力を表しています。

つまり、使用電力量を知るには「定格消費電力」の値を使って算出します。たとえば、毎朝牛乳を温めるのに「定格消費電力」1,200Wの電子レンジを2分動かすとすると、1,200W×(2分/60分)=40Wh(0.04kWh)となります。この場合の電気料金は0.04kWh×26円=1.04円となります。

このように、普段使っている電化製品とその使用電力量を把握すれば、おおまかな電気代を試算することもできます。電気代を節約したければ、まずは使用している電気製品の消費電力(W)を知り、毎日どのぐらいの時間使うかを意識することから始めてみましょう。

最終更新:2016/3/18

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  • 電気料金は消費税込で表記しています。
  • 電気料金の試算金額は、参考目安です。
  • 実際に請求される電気料金には、石油や石炭などの燃料価格によって変動し加算される「燃料費調整額」と、再生可能エネルギーを用いた発電補助のための「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が含まれます。
  • 計算例は東京電力「従量電灯B」をご契約で、月に120 kWhを超えて、300 kWh以下をご使用の場合の第2段階料金で算出しています。