住む予定のない実家を相続したらどうする?空き家放置のリスクと対策を解説

公開日: 2026年9月30日

遺言書と家の模型

住む予定のない実家を相続したときの対策とは?

相続では、預貯金だけでなく、ご自宅や土地などの不動産を引き継ぐことがあります。しかし、相続した家や土地に住む予定がない場合は、管理や売却など、今後どうすればよいのか悩むご家族も少なくありません。

この記事では、お父さまがお亡くなりになったあと、住む予定のない実家を相続した50代のOさんの体験談をもとに、空き家を放置するリスクや相続後に必要な手続き、負担を減らすための方法について解説します。

50代Oさんの体験談 いらない土地を相続して始まった「想定外の負担」

神奈川県 Oさん(54歳・会社員)
父が亡くなったあと、弟と遺産分割協議を行い、私が実家を相続することになりました。私は妻と神奈川県で暮らしており、弟も県外で家庭を持っています。将来的にも実家に戻って暮らす予定はありません。母もすでに他界していたため、実家は空き家になることがわかっていました。

預貯金などの相続手続きは済ませ、必要な戸籍もこのときに自分で取り寄せました。一方、不動産については、当時まだ相続登記が義務ではなかったこともあり、「代々住んできた実家だから、急いで名義変更しなくてもよいだろう」と考えて、登記を後回しにしてしまったのです。

実家は空き家になるため、当初は定期的に様子を見に帰れば問題ないと思っていました。しかし、実際には想像していなかった負担が次々と発生したのです。

空き家放置で雑草・庭木が繁茂し、近隣トラブルに発展

実家を相続してしばらくの間、私は特別な対応をしていませんでした。仕事が忙しかったこともあり、すぐに帰省する時間を作ることが難しかったのです。「次のお盆休みにでも帰って確認しよう」と、気軽に考えていました。

そんなある日、地元に残っている友人から連絡があったのです。

「実家の様子を見たけれど、庭木が伸びて道路側にはみ出しているよ。郵便受けにも郵便物がたまっていて、近所の人が心配しているみたい」

そう言われて初めて、実家の状況を把握できていなかったことに気づきました。

慌てて帰省すると、庭は雑草が伸び、家の周囲も以前のようには整っていませんでした。当然のことですが、人が住まなくなったことで、掃除や庭の手入れが行き届かなくなっていたのです。

連絡をくれた友人から指摘され、適切に管理されていない空き家は「特定空家等」に該当し、注意を受けたり、税金が上がったりする可能性があることを知りました。

遠方の空き家管理は、時間と交通費の負担が大きい

実家の状態を確認し、まずは伸びた雑草を刈り、庭木の枝を整えるなど庭の手入れや周辺の清掃を始めました。しかし、空き家の管理は一度行えば終わりではありません。庭の雑草は再び伸びるため、継続的な手入れが必要です。実家は遠方にあり、管理のために仕事を調整して有給休暇を取得し、交通費や宿泊費も負担しなければなりません。

「父が残してくれた家だから、自分で管理したい」と思っていましたが、何度も通ううちに、時間的にも経済的にも負担が大きいことを実感しました。さらに、近隣の方へのあいさつや対応も、精神的な負担になっていったのです。

住んでいないのに固定資産税は納め続けることに

実家には誰も住んでいません。それでも、固定資産税の通知は届きます。さらに、空き家を維持するには草刈りや修繕などの費用もかかります。

「使っていないのに費用だけがかかっている」

そう感じるようになりました。もちろん、父が大切にしていた家を簡単に手放したいわけではありません。しかし、気持ちだけでは続けられないこともあります。相続した不動産については、家族の思いと現実的な管理負担の両方を考える必要があるのだと強く感じました。

「相続登記の放置」が重なり、相続した不動産を手放せない

実家の管理を続けることが難しいのであれば、売却など別の方法も検討しようと、不動産会社へ相談しました。そのときに、相続登記が済んでいないことを指摘されたのです。当時は「急いで名義変更しなくてもよいだろう」と考えて後回しにし、そのままになっていました。

さっそく実家の登記簿で所有者を確認すると、名義が父ではなく、祖父のままでした。父から実家を相続したので、相続登記が必要なことは知っていましたが、まさか祖父の名義が残ったままだとは思いもしませんでした。

さらに、相続登記が義務化され、2024年4月1日より前に発生した相続については、2027年3月31日までに相続登記を申請する必要があることも、このとき初めて知ったのです。

「もっと早い段階で確認しておけばよかった」と後悔しました。

相続登記の書類収集に時間と手間がかかる

相続登記を進めるための戸籍収集には苦労しました。祖父から父、父から私へと2回の相続が発生しているため、過去の本籍地などを確認しながら、祖父の出生まで遡る必要があったからです。父の相続時にも戸籍をそろえましたが、今回はさらに祖父の相続関係まで確認するため、より多くの戸籍を取り寄せることとなりました。

戸籍は広域交付を利用して集めましたが、本人による請求が必要だったため、仕事を調整して有給休暇を取得し、平日に市役所の窓口へ出向きました。

「父の相続時に不動産の相続登記も済ませておけば、もっと効率よく手続きできたのに」

二度手間になったことを実感し、後悔しました。相続税申告やほかの相続手続きと重なる書類も多かったからです。

住む予定のない実家を相続したときに
生じやすいリスクとは

紙でできた家を受け取る手

住む予定のない実家の相続したときに生じやすいリスクとは?

Oさんのケースでは、実家を相続したこと自体が問題だったわけではありません。管理や相続登記、今後の活用方法を十分に検討しないまま引き継いだことで、負担が大きくなってしまいました。ここからは、住む予定のない実家を相続した際に起こりやすい問題を解説します。

空き家を適切に管理しない場合のリスク

人が住まなくなった家は、想像以上に早く傷みが進むとされています。例えば、Oさんのケースのように庭の雑草や庭木が伸びたままになると、景観を損ねるだけでなく、道路や隣地へ枝が張り出し、近隣トラブルに発展することもあるでしょう。

建物も、換気や通水が行われなくなることで湿気がこもりやすくなり、カビや腐食が進むおそれがあります。屋根や外壁の小さな傷みを見逃すと、雨漏りや建物全体の劣化につながることも少なくありません。また、建物に隙間ができると、ネズミなどの害獣やシロアリなどの害虫が住み着き、衛生状態の悪化や悪臭につながる場合があります。

さらに、空き家が長期間適切に管理されない状態になると、不法投棄や不法侵入、放火など、防犯上のリスクが高まる点に注意が必要です。もし、建物や庭木などが原因で第三者に損害が生じた場合には、所有者や管理者として責任を問われる可能性があります。

こうした状態が続いて周辺の生活環境に悪影響を及ぼすと、市区町村から改善を求められることがあるのです。適切な管理が行われないまま「特定空家等」に該当すると、行政から助言や指導、勧告などの対象になる可能性が生じます。

遠隔地での管理は人的・時間的負担が大きい

空き家となった実家を維持するためには、庭木の手入れに加えて、換気や通水、郵便物の確認など、継続的な見回りが必要です。

遠方に住んでいる場合は、管理のたびに交通費や宿泊費がかかるうえ、仕事を休まなければならないこともあり、さらに負担がふくらみます。また、近隣の方から相談を受けたり、設備の故障があったりして、急いで現地へ向かうこともあるでしょう。

「様子を見に行くだけ」も長期間続けば、時間的・経済的な負担が積み重なっていきます。

相続登記を放置するリスク

Oさんが困ったもう一つの理由は、相続登記が行われていなかったことです。

相続登記とは、お亡くなりになった方から相続人へ、不動産の名義を変更する手続きです。2024年4月からは相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内の申請が必要となりました。2024年4月以前に発生した相続も対象となっており、原則として2027年3月31日までに登記を申請する必要があります。しかも、正当な理由がないまま違反すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

また、Oさんのケースのように祖父から父への相続登記が行われないままお父さまがお亡くなりになった場合、祖父から父、父から子へと、2世代にわたる手続きが必要です。一定の要件を満たせば、「中間省略登記(数次相続による一括申請)」によって、2世代分の登記を1回の申請にまとめることもできます。ただし、それぞれの相続関係を証明するための戸籍などの書類は必要です。

原則として、相続登記を済ませてから売却手続きを進めることになります。将来的に売却や賃貸などを検討する場合も、早めに相続登記を済ませておくことが大切です。

情報不足で空き家管理サービスやほかの選択肢を知らなかった

Oさんのような困りごとを解消するため、定期的な見回りや清掃、庭木の管理などを依頼できる空き家管理サービスがあります。費用はかかりますが、遠方に住んでいる場合の交通費や宿泊費、仕事との調整などを考えると、外部のサービスを利用したほうが負担を抑えられるケースもあるでしょう。

当時のOさんは、こうしたサービスを含めたさまざまな選択肢を十分に知らなかったため、自分だけで管理を続けることになりました。

空き家相続の負担を減らす方法を考える

カートに入れられた一軒家と空き家問題の文字

空き家を相続したときの負担を減らす方法

相続した時点で将来のことをすべて見通すのは簡単ではありません。お亡くなりになった方を見送った直後は、さまざまな手続きに追われ、ご家族で話し合う時間を確保することが難しい場合もあるでしょう。それでも、住む予定のない実家を相続した場合は、管理や手続きだけでなく、今後の活用方法についても考えておくことが大切です。

ここからは、住む予定のない実家を相続した場合の負担を減らす方法を見ていきます。

空き家管理サービスの導入で管理を外部化する

住む予定のない実家を遠方から管理する場合、空き家管理サービスを利用する方法もあります。空き家管理サービスでは、定期的な巡回や換気、通水、清掃などを依頼できます。遠方に住んでいる場合でも、現地へ足を運ぶ回数を減らせることがメリットです。

利用には月額料金などの費用がかかります。また、巡回や簡易的な管理が中心となるため、大規模な修繕や設備交換、専門的な作業などは別途対応が必要になる場合があります。サービス事業者によって料金や対応内容、訪問頻度などが異なるため、契約前にどこまで対応してもらえるのかを確認することが大切です。

相続登記は早めに終わらせる

相続した不動産を売却や賃貸などで活用する場合、まず必要なのが相続登記です。

Oさんのように、空き家の売却を考えてから相続登記が済んでいないことに気づくと、想定していなかった手続きや戸籍収集が必要になることがあります。相続が発生した段階で早めに手続きを始めれば、相続税の申告や預貯金の相続手続きなどと共通する戸籍などの書類を、まとめて準備しやすくなるでしょう。

また、過去の相続登記が済んでいない、複数世代にわたる相続登記が必要になっているなどの問題にも早く気づけます。

相続登記を後回しにすると、時間が経つにつれ相続関係が複雑になり、必要な書類の収集や相続人同士の話し合いに時間がかかることがあります。こうした将来的な負担を抑えるためにも、相続が発生したら不動産の登記状況を確認し、早めに手続きを進めておくことが大切です。

ここでは、相続登記の手順や必要書類、手続きを進める際の注意点について解説します。

相続登記の手順と必要書類

相続登記は、「必要書類を集める」「申請書を作成する」「法務局へ申請する」という3つのステップで進めていきます。

STEP1:必要書類を集める

必要な書類は以下の通りです。

  • お亡くなりになった方の出生から死亡までの戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)など
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 不動産を取得する相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 遺言書、または遺産分割協議書など

なお、兄弟姉妹が相続人となるケースでは、被相続人の父母が先に亡くなっていることなどを確認するため、父母の出生から死亡までの戸籍などが必要になります。

また、広域交付では、本人、配偶者、直系尊属(父母・祖父母など)、直系卑属(子・孫など)の戸籍を、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます。一方、おじ・おばや兄弟姉妹などの戸籍は原則として広域交付の対象外です。対象外の戸籍は、各本籍地の市区町村へ請求する必要があるため注意しましょう。

STEP2:登記申請書を作成する

必要書類がそろったら、法務局へ提出する登記申請書を作成しましょう。登記申請書には、不動産の所在地や地番、登記の目的、相続人などを正確に記載する必要があります。

また、遺産分割によって不動産を取得する場合は、遺産分割協議書などの必要書類を登記申請書に添付します。遺産分割協議書に記載された内容に不備があると、相続人全員が押印したあとでも、内容の修正や作り直しが必要になる場合があります。

不動産のある相続は複雑になりがちなため、こうした書類の作成を含めて司法書士に依頼することを検討してもよいでしょう。

STEP3:法務局へ申請する

書類が完成したら、不動産を管轄する法務局へ申請します。申請方法は窓口への持参、郵送、オンライン申請から選択可能です。審査が終わると相続登記が完了し、登記簿上の所有者が相続人へ変更されます。完了までの期間は、申請内容や法務局の処理状況などによって異なります。

なお、手続きの際は不動産の固定資産価値に応じた登録免許税がかかります。

相続した不動産について
家族と話し合っておく

家と4人家族の人形、家族会議の文字

住む予定のない実家の相続は、家族で話し合うことが大切です

実家を相続する場合、できればお父さまやお母さまがお元気なうちから、ご家族で今後の活用方法について話し合っておくことが理想です。しかし、生前に将来の相続について話題にすることは簡単ではありません。

相続後であっても、住むのか、売却するのか、誰が管理するのかなどについて、ご家族で話し合っておくことが大切です。そのためには、まず不動産の状態や維持にかかる費用などを家族で確認し、共有しておきましょう。

では、どのような内容を確認・共有し、話し合っておくとよいのでしょうか。

財産の把握:家の状態・残置物・固定資産税

まず確認したいのは、相続する不動産の状況です。建物の状態や修繕の必要性、室内に残された荷物などを把握しておきましょう。また、不動産を所有すると固定資産税などの維持費が発生します。土地や建物の価値だけでなく、管理にかかる費用や手間も含めて確認しておくことが大切です。

こうした情報を家族で共有し、実家を今後どうするのかを考える材料にしましょう。

家族の意向と負担の分担(住む/住まない/管理する)

実家を相続する際は、「誰が住むのか」「誰も住まない場合はどうするのか」をご家族で話し合いましょう。将来的に誰かが住む予定があるのか、売却してもよいのか、残したいのかによって、必要な対応は変わります。

また、実家を残す場合は、定期的な管理や庭の手入れなどを誰が担当するのかも決めておくことが重要です。固定資産税や修繕費などの費用についても、誰がどのように負担するのかを話し合っておくことをおすすめします。

住む予定のない不動産を相続した場合の
選択肢を検討する

はてなマークのついた家を持つ男性

住む予定のない不動産を相続したときの選択肢

ご家族で話し合った結果、「誰も住む予定がない」「管理を続けることが難しい」とわかった場合は、今後の不動産の扱いについて検討します。

ここでは、住む予定のない実家を相続した場合に検討できる主な選択肢について解説します。

不動産を売却する

住む予定のない実家を手放す方法の一つが、不動産の売却です。

売却するためには、まず相続登記を済ませておくことが欠かせません。売却できれば、固定資産税や維持管理費、空き家の管理にかかる負担を軽減できます。

ただし、不動産は希望するタイミングや価格で売却できるとは限りません。建物の状態や立地によっては、買い手が見つかるまで時間がかかることもあります。売却活動中も固定資産税や管理の負担は続くため、売却までの期間は空き家管理サービスを利用するなど、適切な管理方法を考えることも大切です。

また、不動産を相続する場合、相続人間で取得額に偏りが生じる可能性があります。こうしたケースの選択肢として、相続人のうち一人が該当不動産を取得し、その代わりにほかの相続人へ金銭を支払う「代償分割」という方法があります。また、不動産を売却して現金化し、その売却代金を相続人で分け合う「換価分割」も選択可能です。売却を視野に入れて話し合うことで、ご家族間の公平性を保ちやすくなる場合もあるでしょう。

賃貸による収益化

住む予定のない実家を活用する方法として、賃貸に出すという選択肢もあります。

相続した不動産を貸し出す場合も、相続登記は不可欠です。賃貸に出せば、家賃収入を得られる可能性があるほか、空き家状態を避けることで建物の劣化防止や防犯にもつながるでしょう。

一方で、入居者の募集や契約手続き、家賃の管理、設備の修繕、退去時の対応など、所有者として行うべきことが生じます。管理会社へ委託すれば負担を軽減できますが、修繕費用の判断や費用負担など、所有者としての責任がなくなるわけではありません。また、築年数が古い建物や立地によっては、改修費用がかかったり、入居者が見つかりにくかったりする場合もあります。

賃貸は不動産を活用する方法の一つですが、将来的な管理負担や費用も含め、ご家族の状況に合っているか慎重に検討することが大切です。

国庫帰属で土地を手放す

相続した土地を活用する予定がなく、売却も難しい場合は、「相続土地国庫帰属制度」を利用する方法もあります。相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した土地を、一定の要件を満たした場合に国へ引き渡すことができる制度です。

相続土地国庫帰属制度を利用する場合は、まず法務局へ申請して審査を受ける必要があります。申請には土地1筆(登記上の土地の単位)につき14,000円の審査手数料がかかります。申請すれば必ず引き取ってもらえるわけではなく、建物が建っている土地や、境界が明確でない土地、通常の管理をするために過大な費用や労力がかかる土地は承認されない可能性があります。承認されなかった場合も、審査手数料の返還はありません。

承認された場合は、国が土地を管理する際に生じる費用の一部に相当する負担金を納付します。負担額は土地の種類によって異なり、宅地の場合は原則として土地1筆につき20万円です。ただし、一部の土地では面積などに応じて算定されます。

申請にあたり建物の解体や境界を明確にするための測量などが必要な場合は、さらに費用がかかることもあるでしょう。

相続土地国庫帰属制度は相続した土地を手放す方法の一つですが、「不要になった土地を簡単に処分できる制度」ではないため、利用する際は注意が必要です。

負担を引き受けない相続放棄

不動産の管理や維持が難しい場合、「相続放棄」という選択肢を考える方もいるかもしれません。

相続放棄とは、お亡くなりになった方の財産を一切引き継がないための手続きです。ただし、相続開始を知った日から原則として3カ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。そのため、すでに相続を受け入れて不動産を取得した後に「やはり管理できないから放棄したい」と考えても選択はできない点に注意が必要です。しかも、放棄したからといって財産がなくなるわけではありません。複数の相続人がいる場合、1人が相続を放棄しても、ほかの相続人が受け継ぐ必要があります。同順位の相続人が全員放棄した場合でも、次順位の方が新たに相続人となるのです。

さらに、民法940条では、相続放棄の時点で相続財産を現に占有している場合、その財産を次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、財産を保存する義務が定められています。そのため、相続放棄をしたからといって、すぐに不動産の管理から離れられるとは限りません。

相続放棄は、不動産の管理負担を避けるための一つの選択肢ですが、放棄すれば空き家の問題まで自動的になくなるわけではないのです。ご家族や親族間で状況を共有し、その後の不動産を誰がどのように扱うのかについても確認しておくことが大切です。

扱いに迷う不動産を相続する場合は、早めに専門家へ相談し、自分の状況に合った対応を考えましょう。

困ったら、一人で悩まず専門家に相談

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相続で困ったら一人で悩まず専門家に相談しよう

住む予定のない実家を相続すると、空き家の管理や相続登記、固定資産税、今後の活用方法など、さまざまな対応が必要です。Oさんのケースでも、相続税の申告を進めていたタイミングで専門家に相談していれば、相続登記を含め、不動産相続で必要な手続きや注意すべきポイントについて確認できたかもしれません。

なお、自力で手続きを進めると、インターネットで調べた情報だけをもとに判断し、必要な手続きや抜け漏れに気づけないこともあります。専門家に相談すれば、相続に必要な手続きを横断的に確認してもらえるため、戸籍の収集や書類の準備、法務局での手続きなどを効率よく進められるでしょう。

相続について「誰に相談すればよいのかわからない」と悩んだときは、まず総合的な相談窓口を利用する方法があります。

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本記事は掲載日時点の法令・制度に基づいて作成しています。法改正等により内容が変更されている場合があります。正確な情報や具体的な手続きについては、最新の法令をご確認いただくか、専門家へご相談ください。

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