妊娠を望む前に、できること。プレコンセプションケア

公開日:2025年9月4日

最近よく耳にするようになった「プレコンセプションケア」や「プレコン」。
妊活と同じと思われがちですが、実は妊娠に関することだけを指す言葉ではありません。プレコンセプションケアとは、性別や年齢、妊娠・出産の希望にかかわらず、“自分の体ときちんと向き合うこと”を大切にする考え方のことです。

今回はプレコンセプションケアの基本的な知識や、受けておきたい検査について簡単に紹介します!

1. プレコンセプションケアとは?

プレコンセプションケアとは、妊娠前に女性とそのパートナーが生活習慣や健康状態を見直すことを指します。将来「妊娠するかもしれない」ことを見据え、日頃から体を整える考え方です。これにより、元気な赤ちゃんを迎えやすくなるだけでなく、将来の自身の生活習慣病予防や女性特有の病気の早期発見にも役立ちます。プレコンセプションケアは妊娠を望む女性だけでなく、妊娠可能なすべての女性とパートナーにとって大切なケアです。

2. 気をつけたい生活習慣

プレコンセプションケアを始めるにあたって、意識しておきたい基本の生活習慣をまとめました。

食生活

現代の女性には、エネルギー不足の傾向が共通して見られます。とくに、栄養の不足やBMI*が18.5未満の「やせ」状態にある場合、妊娠中にさまざまなトラブルが起こるリスクが高まることがわかっています。

母体と赤ちゃん、両方の健康を守るためには、妊娠前から適正な体重と栄養バランスを整えておくことがとても大切です。そのためには、主食・主菜・副菜をバランスよく取り入れた食事を心がけ、1日3食を規則正しくとる生活を見直してみましょう。

※BMIの計算方法:体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
例:体重50kg 身長150cmの場合、50÷1.5÷1.5=22.2

適度な運動習慣

適度な運動は、肥満や糖尿病といった生活習慣病の予防に役立つだけでなく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを減らし、女性ホルモンのバランスを整えるうえでも効果的です。

たとえば、一駅分歩いてみる、自宅で筋トレやヨガをするなど、無理なく取り入れられることから始めてみましょう。

喫煙・アルコール

たばこは不妊や流産のリスクを高めるほか、赤ちゃんの成長にも悪影響を及ぼし、受動喫煙でも注意が必要です。妊娠を希望するなら、本人だけでなくパートナーや家族も含めて禁煙を心がけましょう。

また、妊娠中に飲んだアルコールは胎盤を通じて赤ちゃんの体内に移行しますが、赤ちゃんにはそれを分解する力がほとんどありません。そのため、妊娠を考え始めた段階から飲酒は控えることが望ましいです。

3. プレコンセプションケア検査とは

体重・基礎体温・月経の記録といった情報に加えて、家族の病歴や、風疹・麻疹・インフルエンザ・コロナなど、妊娠中に感染すると影響が大きい感染症のワクチン接種歴も、自分で確認しておくといいでしょう。

またプレコンセプションケアの一環として、次のような検査を通じて自分の体と丁寧に向き合っておくことも大切です。

  • 健康診断(年1回)
    体全体の健康状態を把握し、生活習慣病などのリスクを早めに見つけましょう。
  • 子宮頸がん検診(2年に1回)
    子宮の状態を確認し、妊娠や出産に影響を及ぼす可能性のある異常を早期に発見する必要があります。
  • 歯科検診
    歯周病は早産や低体重児出産のリスク因子とされており、口腔内の健康管理もプレコンセプションの一部です。
  • ブライダルチェック
    性感染症や婦人科系疾患、不妊の要因となり得る問題がないかを幅広く確認できる総合的な検査のことをいいます。
  • 持病や既往歴のある人は、現在の状態を医師と相談
    糖尿病や高血圧など、妊娠に影響する可能性のある疾患は、安定した状態に保っておくことが大切です。

4. 忙しくても受けられる、
オンライン健康相談・オンライン診療

「プレコンセプションケアを始めたいけれど、忙しくて病院に行く時間がない」「パートナーと一緒に受診したいけれど、予定を合わせるのが難しい」——そんなときには、オンライン健康相談・オンライン診療という選択肢があります。自宅から気軽に相談や受診ができるため、ライフスタイルに合わせて無理なく始められます。

5. まとめ:妊娠のためだけじゃない、
“わたし”のためのケア

プレコンセプションケアは、妊娠の準備に限らず、現在の心と体の健康を整えるための大切なステップです。運動習慣や食生活を少し見直すだけでも、将来の健康や人生の選択肢を広げることにつながります。
不安なことや分からないことがあれば、気軽に医師に相談してみましょう。

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