「仕事を辞めたい」にならない！更年期女性の働き方

「覚えられない・仕事ができない」
更年期のせい？

40代以降の働く女性で、仕事中何をしようとしていたのか忘れたり、新しい業務をなかなか覚えられない……などの悩みを持っている人は少なくないでしょう。更年期の女性にとって、物忘れや集中力の低下は珍しいことではありません。これには、ホルモンバランスの変化が影響している可能性があります。

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、脳のはたらきや自律神経の調整にも関係しています。更年期に入ると、このエストロゲンの分泌が不安定になり、記憶力や思考力に変化があらわれることがあるのです^{*1 *3}。

たとえば、会議の議事録を取りながら内容を整理するのが難しくなったり、以前はスムーズにこなしていた仕事の段取りを忘れてしまったりするケースがあります。「ちゃんとやらなきゃ」と思っていても思うようにいかず、落ち込んでしまうこともあるでしょう。

しかし、こうした変化は「自分がダメになった」わけではなく、変化にともなう一時的な現象にすぎません。無理に以前と同じような働き方を続けるよりも、今の自分に合ったやり方に切り替えることが大切です。

迷惑かも…の考え方を変えて
【のんびり】も選択肢に

「職場に迷惑をかけるかも」と、無理して頑張りすぎていませんか？

更年期による症状で「仕事がつらい」と感じたときは、休息をとることも立派な選択です。体と心のバランスが崩れたまま無理を続けると、さらに症状が悪化したり、仕事への意欲そのものが失われてしまったりするおそれがあります。

更年期には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が不安定になり、自律神経の乱れを引き起こすことがあります。その影響で、ホットフラッシュ（突然の発汗）や頭痛、気分の落ち込みなどがあらわれ、日によって体調の波が大きくなることも^{*1 *2 *3}。毎日同じように働くのが難しく感じられるのは、更年期ではごく自然なことなのです。

「朝から夕方まで働くのがつらい」と感じる日は、思い切って午後からの出勤にしたり、有給休暇を使って1日休んだりするのもよいでしょう。しっかり休むことで体調が整い、結果的にその後のパフォーマンスが上がることも少なくありません。

「誰かに迷惑をかけてしまうかも」と気になるかもしれませんが、理由をきちんと伝え、必要なサポートをお願いすれば、まわりも理解してくれるはずです。「迷惑をかけないように」と自分を追い詰めるのではなく、「つらい日は、少し立ち止まって整える」。そんな柔軟さも、これからの働き方には大切です。

長く無理なく働き続けるために、心と体に余裕をもたせる工夫をしてみましょう。

《工夫とツール》で
更年期の仕事を乗り越える

更年期による不調と付き合いながら仕事を続けていくには、「覚えておく」「我慢する」だけでは限界があります。負担を軽くするためには、自分でできる工夫に加え、職場の制度も上手に利用しながら、働き方そのものを見直すことが大切です。

まず、身近な工夫として、スケジュールやタスクをアプリで管理したり、ToDoリストで作業を見える化したりすることで、記憶に頼らず落ち着いて仕事に取り組みやすくなります。また、体調の良い時間帯に集中力が必要な業務を行い、疲れたときは深呼吸や軽いストレッチでリフレッシュするなど、オンとオフの切り替えを意識するのも効果的です。

加えて、職場に備わっている制度や環境を活用してみてはいかがでしょうか。たとえば、体調に合わせて勤務時間を調整できる時差出勤や在宅勤務、フレックスタイムなどは、更年期の体調の波に合わせた働き方をしやすくしてくれます。

さらに、産業医や保健師、カウンセラーといった産業保健スタッフによるサポートを受けられる職場であれば、メンタル面のケアや業務の調整について相談しやすくなるでしょう^*3。

がんばりすぎず、「今の自分に合ったやり方」を見つけることが、無理なく働き続けるためのカギです。小さな工夫を積み重ねながら、自分らしい働き方を整えていきましょう。

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