雨の日は更年期症状が悪化!漢方で改善できる?

公開日:2025年10月2日

雨の日になると頭痛やだるさ、気分の落ち込みなど、更年期の不調が強く出る……そんな経験はありませんか?

その原因の一つが、気圧や湿度の変化によって自律神経が乱れる「気象病」や「天気痛」と呼ばれるものです。つらい心身の不調と上手に付き合っていくためには、自分に合った対策を見つけることが大切です。

今回は、漢方・マッサージ・ツボ押しなど、毎日の生活に取り入れやすいセルフケアの方法をご紹介します。

「気象病・天気痛」の起こる仕組み

気圧や湿度の変化によって体調が左右される「気象病」や「天気痛」。特に、雨の日や台風の前などは、頭痛やめまい、関節痛といった不調を感じる人が増える傾向にあります。

これは、気圧の低下によって内耳の気圧センサーが刺激され、自律神経のバランスが乱れることで引き起こされます。低気圧が近づくと自律神経のひとつである「交感神経」が過剰にはたらき、血管が収縮して頭痛や肩こりが起こりやすくなるためです*1

また、ホルモンバランスの変化が重なる更年期の時期は、特にこうした影響を受けやすく、症状が強く出ることも少なくありません。つまり、「なんとなく体が重い」「気分が落ち込む」といった雨の日の不調は、身体の自然な反応なのです。

気象病の仕組みを知っておくことで、事前に対策をとりやすくなり、雨の日を楽に乗り切れるようになるでしょう。

低気圧で《更年期症状が悪化》するのは
なぜ?

低気圧が近づくと、更年期症状が強く出ることがあります。これは、自律神経の乱れと女性ホルモンの急激な変化が重なり、身体のバランスが大きく崩れるためです。

気圧の低下は、交感神経を優位にし、血管の収縮や筋肉の緊張を引き起こします。そこにエストロゲンの減少による自律神経の不安定さが加わると、のぼせや頭痛、イライラ、不眠などの症状が悪化しやすくなるのです*1。特に「気分の浮き沈み」や「体がだるい」といった不調は、気圧の影響を受けやすいとされています。

天候の変化に敏感になる更年期は、生活リズムを整えたり、心と体をいたわったりする工夫が大切です。

更年期の気象病・天気痛対策
【漢方・マッサージ・ツボ】

雨の日に体が重く感じたり、気分が沈んだりする場合、気象の変化が影響しているかもしれません。更年期の不調をやわらげるために、漢方やマッサージ、ツボ押しなどのセルフケアを取り入れてみましょう。

漢方

更年期の気象病や天気痛には、体質に合せて選べる漢方が心強い味方になります。気圧の変化で乱れがちな自律神経を整えたり、冷えや水分代謝の不調を改善したりする作用が期待できます。

  • 五苓散(ごれいさん):頭痛やめまい、むくみなどに用いられる代表的な漢方*2
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラや不眠といった更年期特有の不調をやわらげる*3

体質や症状に応じた漢方を取り入れることで、雨の日の不調を穏やかに整えていくことができるかもしれません。市販されている漢方もありますが、まずは婦人科の医師や漢方専門医に相談してみましょう。

マッサージ

雨の日の頭痛や体の重だるさがつらいときは、マッサージで血行を促すのがおすすめです。気圧の変化で自律神経が乱れると、筋肉がこわばり、肩こりや頭痛が起こりやすくなります。

首や肩、頭皮をゆっくりとほぐすだけでも血行が良くなり、リラックス効果が期待できます。特に、首のつけ根や耳のまわりは自律神経が集中するポイントなので、優しく円を描くようにマッサージすると効果的です。

手軽に取り入れられるセルフケアとして、毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。

ツボ

天気の変化によって引き起こされる更年期の不調には、ツボ押しも効果的な方法の一つです。ツボを刺激することで自律神経のバランスを整えたり、頭痛やめまい、イライラといった症状の緩和が期待できます。

例えば、合谷(ごうこく)は頭痛や肩こりに、内関(ないかん)は吐き気や不安感をやわらげるツボとして知られています。指で優しく押して、気持ちいいと感じる程度に刺激してみましょう。

深呼吸をしながら数回繰り返すと、よりリラックス効果が高まります。仕事や家事の合間や寝る前などのリラックスタイムにツボ押しを取り入れ、天気に左右されにくい心と体を整えていきましょう。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。