【寝汗】の正体はホットフラッシュ!?
公開日:2026年3月2日
夜中に汗でびっしょりになって目が覚める、朝起きたらパジャマがぐっしょり濡れている…そんな経験はありませんか?
実は、更年期に入るとこうした「寝汗」に悩まされる方が少なくありません。
日中のホットフラッシュは自覚しやすい一方で、寝ている間の発汗は更年期症状だと気づかれにくいことがあります。
そのため、知らず知らずのうちに睡眠の質が低下し、疲れが取れず日常生活に影響が出てしまうこともあるのです。
今回は、更年期に起こりやすい寝汗の原因と、対処法について詳しく見ていきましょう。
更年期に「寝汗」がひどい理由
更年期の寝汗は、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)が原因である可能性があります。
閉経前後にエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が不安定になると、体温調節を担う自律神経のバランスが崩れてしまいます。
通常、私たちの体は視床下部という脳の部位が体温をコントロールしているのですが、エストロゲンが減るとこの機能がうまく働かなくなります*1 *2。
すると、実際には体温が上がっていないのに「暑い」と誤認識し、体が汗をかいて熱を逃がそうとするのです。
特に夜間は副交感神経が優位になるタイミングですが、更年期では自律神経の調節がうまくいかず、寝汗として症状が現れやすくなります。
布団の中は温かく、寝ている間に熱や湿気がこもりやすいため、ホットフラッシュが起きやすい環境といえるでしょう。
人によっては、首から上だけが熱くなったり、上半身を中心にどっと汗が噴き出したりと、症状の現れ方はさまざまです。
寝汗で目が覚めてしまうと睡眠が分断され、疲労感や日中のだるさにもつながってしまいます。
更年期の寝汗を改善するセルフケア
寝汗を少しでも和らげるには、日常生活の工夫が大切です。
まず、寝室の環境を整えましょう。
室温は少し涼しめの18〜20度程度に保ち、通気性のよいパジャマや吸湿性の高い寝具を選ぶのがおすすめです。
汗をかいたときにすぐ着替えられるよう、枕元に替えのパジャマやタオルを用意しておくと安心です。
食生活では、就寝前のカフェインやアルコール、辛い食べ物はできるだけ控えましょう。
これらは血管を拡張させたり交感神経を刺激したりして、ホットフラッシュを誘発する可能性があります。
また、適度な運動は自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
ただし、寝る直前の激しい運動は逆効果になるため、夕方までに済ませるのがポイントです。
ストレスも自律神経の乱れを悪化させる要因のひとつ。
深呼吸や瞑想などで、心を落ち着ける時間を意識的に作ってみてください。
病院での治療や漢方薬の対策はある?
セルフケアだけでは改善が難しい場合、医療機関での治療という選択肢もあります。
婦人科や更年期外来では、ホルモン補充療法(HRT)という治療法を受けられることがあります。
これは、減少したエストロゲンを薬で補う方法で、ホットフラッシュや寝汗の軽減が期待できます*2。
ただし、乳がんのリスクや静脈血栓症の既往がある方には向かない場合もあるため、医師とよく相談することが大切です。
漢方薬も更年期症状に用いられることが多く、体質や症状に合わせて処方されます。
たとえば、加味逍遙散(かみしょうようさん)はイライラやのぼせに*2 *3、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は血行不良による肩こりやのぼせに使われることがあります*2 *4。
また、最近では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など、ホルモン以外のアプローチも研究されています。
寝汗がひどくて日常生活に支障が出ている、他の更年期症状も重なっているという場合は、ひとりで我慢せず専門医に相談してみましょう。
症状に合わせた適切な治療やアドバイスを受けることで、快適な睡眠を取り戻せるかもしれません。
執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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産婦人科専門医/医学博士
京都大学医学部卒業後、東京大学大学院にて医学博士号を取得。
「産婦人科を受診するハードルを下げたい」という思いから、2024年渋谷にクリニックを開業。 双子を含む4人の子どもを育てながら、テレビやネットニュースなど各種メディアにもコメンテーターとして出演している。
著書に『シン・働き方 ~女性活躍の処方箋~』があり、 SNS総フォロワー数3万人の「医療インフルエンサー」としても情報発信を続けている。
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