今だから知りたい「性的同意」

公開日:2025年9月25日

「性的同意」という言葉を聞いたことはありますか?
最近では少しずつ耳にするようになってきましたが、まだどこか身近に感じにくいテーマかもしれません。ですが、誰かの体に触れるすべての場面で「お互いにそれを望んでいるか」を確かめ合うことはとても大切です。相手の許可なく触れることが、「性暴力」とみなされることもあります。

2023年7月の法改正では、相手が「NO」と伝えにくい状況で性的行為を行った場合、「不同意性交等罪」や「不同意わいせつ罪」として処罰されるようになりました。
▶︎参考:法務省「性犯罪の規定が2023年(令和5年)7月13日から変わります」

相手のために、そして自分自身を守るためにも、あらためて「性的同意」について考えてみませんか?

「性的同意」ってなに?

「性的同意」には、3つのポイントがあります。

  1. 対等な関係であること
  2. 行為の意味やリスクを理解し、自分の意思で判断できること
  3. はっきりと言葉で確認すること

この3つがそろって、はじめて「同意がある」といえます。

ただ、日本では性教育の機会が限られているため、「同意を言葉にする」文化がまだ十分に根づいていません。そのため、無言や曖昧な反応を同意と誤解してしまうケースも少なくないのです。大切なのは、明確な「YES」の意思表示があること。
また、同意は一度きりのものではありません。たとえパートナーや配偶者であっても、その都度確認し合うことが大切です。

なぜ必要なの?

性的な行為への参加には、お互いの「したい」という“積極的な意思表示”があることが大切です。「同意をとったらムードが壊れるのでは?」そう感じる方もいるかもしれませんが、実際はその逆です。きちんと確認し合うことで、お互いが安心して過ごせる関係が築かれます。

一方で、同意のない性行為は、知らないうちに性暴力にあたる可能性もあります。無理やり迫ることだけでなく、性行為を断った相手に不機嫌になる、寝ている間に勝手に始める、避妊に協力しない――こうした行為も、性暴力に含まれます。相手が「いやだ」「やめて」と言わなかったからといって、その人が同意している訳ではありません。

さらに、「二人きりで個室に入ったからOK」「相手の家に行ったから同意したはず」といった思い込みも危険です。自分の常識が相手にとっても同じとは限りません。

大切なのは、「きっとわかってくれている」ではなく、言葉で気持ちを伝え合うこと。信頼関係を深めるために、確認することをためらわないようにしましょう。

ひとりで悩まないで。

「断ったら嫌われるかも」「本当はつらいけど言えない」——そんなふうに感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
性に関する悩みは話しづらく、ひとりで抱え込んでしまう人も多くいます。でも誰かに話すだけで、気持ちが軽くなることもあります。
医師や専門家に相談することもできますし、電話やチャットで話を聞いてくれる窓口もあります。少しでも気になることがあれば、相談してみてください。

まとめ

同意を伝え合うのは、少し恥ずかしいと感じるかもしれません。でも、誰かと親密な関係を築くうえで大切なのは、お互いの気持ちや望みを尊重し合うことです。

自分の心と体、そして相手の心と体を大切にするために――少しずつでいいので、気持ちを伝え合える関係を築くことから始めてみませんか。

関連サービス