更年期に多いホットフラッシュは止められる?
公開日:2025年7月24日

ホットフラッシュは、更年期にみられる代表的な症状の一つです。
突然顔や体がほてり、たくさん汗をかくこともあるため、仕事中や人前で起こると不快に感じることもあるでしょう。
この記事では、ホットフラッシュの主な症状や原因、ご自宅で簡単にできる対策法から治療の選択肢まで詳しくご紹介していきます。
ホットフラッシュはどんな症状?
どんな時に起きる?
ホットフラッシュとは、顔や体が急に熱くなる症状です。急激な体温上昇に伴い、顔が赤くなって多量の汗をかくこともあります*1 *2。
更年期症状の代表的な症状の一つで、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少し、自律神経が乱れることによって引き起こされます。
症状が出やすい場面は、暖房の効いた部屋や満員電車などの人混みが挙げられます。また、緊張やストレスを感じる状況でも起こりやすいと言われています。発症には、心の状態も大きく影響しているのです。
ホットフラッシュの原因は
「エストロゲン&自律神経」
ホットフラッシュは、主に、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量減少によって引き起こされます*1 *2。
エストロゲンを出すように指令を出している脳の視床下部という部分は、血圧・心拍・体温・発汗などを調整する自律神経を調節する働きをしています。この自律神経が乱れることが、ホットフラッシュを引き起こす主な原因です。自律神経は体の温度管理を担っているため、ホルモンバランスが崩れて自律神経のはらたきが不安定になると、ホットフラッシュが頻繁に発生します。
自分でできるホットフラッシュ対策&治療
ホットフラッシュの症状を軽減するために、ご自宅で簡単にできるセルフケア方法をいくつかご紹介します。
- リラックス法(深呼吸や瞑想など)
- ウォーキングやストレッチなどの軽い運動
- 冷房の活用
- 風通しの良い場所で過ごす
- 調節しやすい服装を心がける
- 辛い食べ物やカフェイン、過度の飲酒は控える
- 栄養バランスのとれた食事を心がける
ホットフラッシュを予防するには、適度な温度調節とストレス管理が重要なポイントです。外出先でも調整しやすい服装を選ぶとよいでしょう。規則正しい生活と適度な運動を心がけ、ストレスを溜めすぎないことも大切です。
これらのセルフケアでも改善されない場合には、医療機関を受診し、症状の程度や頻度に合わせた治療を受けることも大切です。
ホットフラッシュに対する治療法には、以下のようなものがあります*1 *2。
- ホルモン補充療法(HRT):エストロゲンを補充する方法
- 漢方療法:漢方薬を用いた治療法
- 抗うつ薬や抗不安薬
特にホルモン補充療法(HRT)は、ホットフラッシュへの効果が高いと言われています。*3
漢方薬には身体全体のバランスを整える作用があり、ホットフラッシュ以外の更年期症状をやわらげることが期待できます。また、抗うつ薬や抗不安薬はホルモンを使用しない治療法のため、ホルモン補充療法が体質的に合わない方でも治療を受けることができます。
ホットフラッシュの症状の程度や頻度には、個人差があります。ご自身の体調に合ったセルフケアと治療法でホットフラッシュの症状をやわらげ、日常生活をより快適に過ごしましょう。
参考文献
- 公益社団法人 日本産科婦人科学会
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
- ホルモン補充療法ガイドライン2017年版,日本産科婦人科学会,日本産科婦人科学会/日本女性医学学会

執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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