体重増加が止まらない!更年期のダイエット事情
公開日:2025年9月1日

更年期に入ると体重が増えやすくなり「今までのダイエットではやせない」と感じる方も多いのではないでしょうか。ホルモンバランスの変化や代謝の低下、さらにはストレスや不眠といった不調も、更年期のダイエットがうまくいかないことに関係しています。
本記事では、更年期に太りやすくなる理由や痩せている人との違い、そして更年期世代が無理なく続けられるダイエットのコツをわかりやすく解説します。
更年期にどんどん体重が増える理由
「更年期に入ってから体重が増えやすくなった」と感じる人は少なくありません。これには、ホルモンバランスの変化が大きく関係しています。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、脂肪の代謝や体温の調整にも関わっており、更年期に入るとその分泌量が急激に減少します*1。その結果、代謝が落ち、今までと同じ生活をしていても脂肪がつきやすくなってしまうのです。
たとえば、若い頃は少し食べすぎてもすぐに体重が戻っていたのに、今は少しの間食や運動不足でどんどん太ってしまう……そんな経験はありませんか?ストレスや不眠なども重なり、食欲がコントロールできなくなると、体重増加にさらに拍車がかかります。
このように、更年期に身体の内側で起こる変化が、太りやすさに直結しています。「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめず、自分の身体の変化を知ることが、更年期のダイエット成功への第一歩です。
更年期で痩せる人・太る人の違いとは?
同じ更年期でも、スリムな体型をキープできる人と、体重が増え続けてしまう人がいます。その差は年齢ではなく、日々の生活習慣にあります。更年期は、ホルモンバランスの変化によって脂肪が体につきやすくなる時期ですが、それをどう乗り越えるかで結果は変わってきます。
特に、食事の選び方や運動の取り入れ方、ストレスとの付き合い方が大切なポイントです。
たとえば、痩せている人は「無理せず続けられること」を意識して、軽めのウォーキングやストレッチ、バランスのとれた食事を習慣にしていることが多いようです。睡眠やリラックスタイムをしっかり確保し、自律神経の乱れを防ぐ工夫も大切です。
一方、疲れやイライラなどが原因で間食や夜食が増え、さらに運動不足になっている人は、気づかぬうちに体重が増えてしまう傾向にあります。
更年期でも太らない・太りにくい人は、自分の身体の変化と向き合い、無理のない範囲でできることをコツコツ続けています。その積み重ねが、体型に大きな違いを生み出すのです。
アラフィフ更年期ダイエットのコツ
【食事・運動・漢方】
更年期のダイエットで大切なのは「がんばりすぎないこと」です。身体の変化に逆らうのではなく、うまく寄り添いながら続けられる習慣をつくることが成功のポイントになります。
1.食事
更年期のダイエットでは、食事の際に以下の点を意識してみましょう。
- たんぱく質を積極的に摂る
- 糖質や脂質は質にこだわる
- 食物繊維や発酵食品を取り入れて、腸内環境を整える
2.運動
運動を習慣化するには、気持ちよく続けられる程度の運動を日々の生活に取り入れることが大切です。ハードなトレーニングではなく、以下のような軽い運動から始めてみましょう。
- ウォーキング
- ヨガ
- ラジオ体操
- 車通勤から自転車・徒歩通勤に替える
- 最寄り駅より手前で降りて、歩く
- エレベーターではなく階段を使う
3.漢方
体質や症状に合った漢方を活用するのもおすすめです。
-
加味逍遥散(かみしょうようさん)
自律神経のバランスを整える働きがあり、気分の浮き沈みが激しい、イライラしやすい、疲れがとれにくいなどの精神的な不調をやわらげる*2 -
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
体の中の余分な熱や老廃物を排出し、代謝を促す*3 -
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血流を改善して水分バランスを整える働きがあり、女性の体の巡りをサポートしてくれる*4
漢方薬は市販されているものもありますが、医師や薬剤師に相談して選ぶことで、自分に合ったものを見つけやすくなります。更年期特有の症状にお悩みの方は、まずは医療機関や漢方薬局などで相談してみましょう。

執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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