生理前はいつも情緒不安定…これって私だけ?
公開日:2025年9月18日

「なんだか急に涙が止まらない」「普段なら気にならないようなことでクヨクヨ悩んでしまう」「理由もなくイライラしてしまう」…こんな時ありませんか?
このようなメンタル不調、生理前のホルモンバランスの変化と関係しているのかもしれません。生理前の心身の不調はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)といった、医学的にも認められている症状である場合があります。
今回は、多くの女性が感じている生理前後のメンタル不調について、その原因、気持ちを少しでもラクにするためのヒントをご紹介します。
生理前のメンタル不調は
ホルモンの乱れが原因?
生理に伴うメンタルの不調は、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった女性ホルモンのバランスが乱れることによって起こると考えられています。特にメンタルが不安定になりやすいのは「排卵期」と「黄体期(生理前)」です。
排卵期:エストロゲンが減少
「排卵期」には、気分を安定させるエストロゲンの分泌が急激に減少し、ホルモンバランスが大きく変化するため情緒が不安定になりやすいです。生理後は妊娠の準備(排卵)のためにエストロゲンの分泌が急激に増加します。エストロゲンは、女性らしい体づくりや美肌効果、骨や血管の健康を守るなどのプラスの作用に加えて、セロトニン(幸福ホルモン)の分泌を助ける働きもあるため、気分を安定させる効果もあります。しかし、排卵が終わると、このエストロゲンが急激に減少し、気分が不安定になったり、感情のコントロールが難しくなったりすることがあります。
黄体期(生理前):プロゲステロンが上昇
プロゲステロンには、脳をリラックスさせる「GABA」という神経伝達物質の働きを助ける作用があります。そのため、気分を落ち着かせたり、眠気を促す効果があります。一方で、過剰になるとイライラや不安、抑うつ感が強まることもあります。
こうした生理前にあらわれるさまざまな心身の不調はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれます。つらいと感じたら、我慢せず医師への相談をお勧めします。

自分でできるPMS対策と改善方法
低容量ピル
低用量ピルは、PMS対策にも効果的です。エストロゲンとプロゲステロン、2種類の女性ホルモンを含み、ホルモンバランスの変動を抑えて安定させることで、PMSや生理に伴うさまざまな不調の改善が期待できます。また、低用量ピルはオンラインでの処方も可能です。
食事
生理前のイライラや落ち込みをやわらげるには、食事に少し気を配ってみるのもおすすめです。マグネシウムやカルシウム、ビタミンB6は、気持ちを安定させるのに役立つ栄養素。 豆腐や豆乳などに含まれる大豆イソフラボンも、ホルモンバランスを整えるサポートをしてくれます。この時期は心も体も敏感になりやすいため、カフェインは控えめにして、できるだけ体にやさしい食事を心がけてみましょう。
ハーブ
生理前はカフェインを控えたい時期。そんなときには、香りと味わいで心と体を整えてくれるハーブティーを取り入れてみてはいかがでしょうか。中でも、女性ホルモンのバランスを整える働きがあるといわれる「チェストベリー」や、ホルモンバランスに作用し、PMSや月経痛の緩和にも効果が期待される「ラズベリーリーフ」などがおすすめです。
漢方
「女性の三大漢方薬」の一つ、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、生理前後のイライラや気分の落ち込みといった精神的な不調に効果があるとされ、ストレスを感じやすい現代女性に特におすすめです。一般の薬局でも購入できますが、自己判断で選ぶのではなく、医師に相談して自分に合ったものを処方してもらうと、より安心して取り入れられます。
「我慢しない」ことも大切
医師に相談するという選択肢
PMSやPMDDは治療できる症状なので、つらいときは一人で抱え込まず、婦人科に相談してみましょう。心のつらさが強い場合は精神科の受診もおすすめです。忙しくて病院に行けないときや外出が難しいときは、自宅でも受けられる「オンライン診療」もあります。毎月のつらさを少しでも軽くするために、できることから始めてみませんか。
まとめ:ひとりで抱え込まないで。
心と体に優しい選択を
生理前や生理中に気持ちが不安定になるのは、多くの女性が経験する自然なことです。つらいときこそ、自分の心と体にじっくり向き合ってみましょう。生活習慣を整えたり、リラックスできる時間をしっかりとることが大切です。それでもつらさが続くなら、一人で抱え込まずに専門家に相談してみてくださいね。
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