更年期の肌トラブル<乾燥>どう対策?

公開日:2025年10月16日

更年期に入ってから「肌がかさつく」「保湿しても追いつかない」と感じることはありませんか?

その原因の一つが、女性ホルモンの減少によるうるおい不足です。スキンケアも大切ですが、内側から整えることも更年期の乾燥対策には効果的です。食事や漢方、サプリメントなど、毎日の暮らしに無理なく取り入れられる方法で、肌の内側から健やかさをサポートしていきましょう。

更年期世代の肌が乾燥しやすいのは
女性ホルモンが原因?

年齢を重ねるにつれて肌の乾燥が気になりはじめたら、それは女性ホルモンの変化が影響しているかもしれません。

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、肌の弾力と水分保持に重要な細胞に働きかける役割があります。更年期に差しかかると、エストロゲンの分泌が急激に減少し、肌のうるおいを保つ力が弱まります。この影響で皮脂や水分が減り、バリア機能も低下。その結果、肌がカサつきやすくなったり、かゆみや赤みといったトラブルが起こりやすくなるのです*1

特に、季節の変わり目や乾燥しやすい時期には、肌の変化を実感する方も多いのではないでしょうか。女性ホルモンの変化を意識しながら、自分に合ったケアを見つけることが、乾燥肌対策につながります。

更年期のスキンケア【入浴&保湿クリーム】

乾燥が気になる更年期の肌には、毎日の入浴と保湿ケアの見直しがとても大切です。年齢とともに皮脂や水分が減りやすくなり、肌のバリア機能が低下しやすくなっているため、外側からのうるおい補給が欠かせません。

  • お湯の温度はぬるめ(38〜40℃)に設定し、長風呂は避ける
  • 必要な皮脂を奪いすぎないように優しく洗い、入浴後はなるべく早く保湿クリームや乳液でケアをする
  • セラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤は、肌のうるおいをキープするのに効果的

このような肌に優しいスキンケア習慣を続けることで、乾燥によるトラブルの予防が期待できます。

内側からの更年期の乾燥肌対策
【食事・漢方・サプリ】

乾燥しやすくなる更年期の肌には、内側からのケアも重要。栄養バランスのとれた食事や体質に合った漢方、必要な栄養素を補えるサプリなどで、うるおいをサポートしていきましょう。

食事

更年期の乾燥肌を防ぐには、外側からのケアだけでなく、体の内側から栄養を整えることも大切です。肌のうるおいを保つために、皮膚の材料となるたんぱく質や、水分を保持するビタミンA・C・E、亜鉛などのミネラルをバランスよく摂取しましょう。乾燥肌対策のために積極的に摂ってほしい食べ物には、以下のようなものがあります。

  • 納豆や豆腐などの大豆製品:女性ホルモンに似たはたらきをもつイソフラボンが含まれており、肌の調子を整える
  • 鮭やアボカド、ナッツ類:含まれる良質な脂質が、乾燥肌の強い味方に

栄養バランスを意識した食生活が、内側からの乾燥肌対策につながります。まずは、毎日の食生活を見直すところから始めてみましょう。

漢方

女性ホルモンの減少により血行や水分代謝が低下すると、肌のうるおいが失われやすくなります。更年期の乾燥肌に悩む方には、体質に合せて選べる漢方もひとつの手段です。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血流を促し、冷えやむくみを改善して肌の乾燥対策にも効果が期待できる*2
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスによる不調を整え、肌トラブルの緩和にも役立つ*3

体の内側からバランスを整えることで、乾燥しにくい健やかな肌へと導いてくれるのが、漢方の魅力の一つです。肌トラブルにお悩みの方は、一度、婦人科や漢方専門の医師に相談してみてはいかがでしょうか。

サプリ

毎日のケアにプラスして取り入れたいのが、乾燥対策をサポートするサプリメントです。更年期にはホルモンバランスの乱れによって肌の保湿力が低下しやすく、外側からのケアだけでは追いつかないことも。

そんなときに役立つのが、コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどの美容成分を含むサプリです。なかでも、大豆イソフラボンやエクオールは女性ホルモンと似たはたらきがあり、更年期特有の乾燥やゆらぎ肌を整えるのに効果が期待できます。

体調や肌の調子に合ったサプリを取り入れることで、内側からうるおいをサポートし、乾燥による肌トラブルを防ぎやすくなるでしょう。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。

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