40代・50代に多い!?更年期の尿漏れトラブル

公開日:2025年10月23日

尿漏れに悩みながらも、「年齢のせい」と諦めてしまっていませんか?

更年期の体の変化によるトラブルは、適切な対策をとることで軽減できることもあります。骨盤底筋のトレーニングや治療など、自分に合った尿漏れ対策を見つけることで、毎日安心して過ごせるようになるでしょう。

本記事では、更年期に尿漏れが起こりやすい理由や、尿漏れ対策などについて詳しく解説します。尿漏れにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

更年期に尿漏れが起きやすいのはなぜ?

更年期になると、今まで気にならなかった尿漏れに悩む方が増えてきます。主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少によって骨盤まわりの筋肉や粘膜の機能が低下し、排尿をコントロールしづらくなるためです*1

例えば、くしゃみをした時や笑った際に少し漏れてしまったり、トイレが間に合わないと感じることが増えたりするのも、更年期に多く見られる症状の一つです。加齢や出産経験、便秘などの生活習慣などが重なることで、尿漏れのリスクはさらに高まります。

こうした体の変化は恥ずかしいことではなく、ごく自然な現象です。不安を減らし、快適な毎日につながるように、早めに対策を知っておくことが大切です。

更年期世代に多い尿漏れのタイプ

ひと口に「尿漏れ」といっても、その原因や症状のあらわれ方にはいくつかのタイプがあります。

なかでも更年期世代に多いのは、骨盤底筋のゆるみによって、咳やくしゃみなどの動作で漏れてしまう「腹圧性尿失禁」や、突然強い尿意を感じてトイレが間に合わなくなる「切迫性尿失禁」などです*1 *2。ホルモンバランスの変化や加齢による筋力の低下、膀胱のはたらきの変化が複合的に関わっています。

「自分だけかも…」と不安になってしまう方もいるかもしれませんが、尿漏れは、40代・50代女性に多くみられる身近なトラブルです。尿漏れのタイプを知っておくことで、自分に合ったケアや対策がとりやすくなり、症状の改善にもつなげやすくなるでしょう。

尿漏れトラブル対策
【骨盤底筋トレーニング&治療】

更年期の尿漏れは、正しく対策すれば改善が期待できます。骨盤底筋を鍛える運動や治療法など、自分に合ったトレーニングや治療を取り入れてみてください。

骨盤底筋トレーニング

更年期の尿漏れ対策として、まず取り入れたいのが骨盤底筋トレーニングです。

骨盤底筋は、膀胱や子宮、腸などを下から支える大切な筋肉で、加齢やホルモンバランスの変化によってゆるみやすくなります。筋力が低下すると、くしゃみや咳などのちょっとした動きで尿漏れが起こりやすくなってしまいます。

トレーニングの方法としては、仰向けになり、お尻や肛門まわりの筋肉を意識して数秒締めた後、ゆっくり緩める動きを繰り返すだけです。呼吸を止めずに、息を吐く時に締める、息を吸う時に緩めることを意識してみてください。毎日少しずつ続けることで筋力が高まり、尿漏れの軽減に効果が期待できます。

場所を選ばずにできる簡単なトレーニングなので、日常生活に無理なく取り入れやすいのも魅力です。

治療

尿漏れの悩みが続くときは、我慢せずに泌尿器科や婦人科などの医療機関で相談するようにしましょう。更年期の尿漏れは、骨盤底筋のゆるみや膀胱のはたらきの変化など、体の内側に複合的な原因があることが多く、セルフケアだけでは限界を感じることもあります。

治療法としては、薬の服用や膀胱トレーニング、電気刺激療法などがあり、症状のタイプや程度に応じて選択されます*2。また、最近では日帰りで受けられる手術やレーザー治療など、身体への負担が少ない方法も注目されています。

「年齢のせいだから」と諦めず、早めに医師に相談することで、毎日をもっと快適に過ごせるようになるでしょう。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。

関連サービス

チャット相談

更年期症状や月経など
気になることを気軽にLINEで相談

LINE

▼友だち追加はこちら

QR

オンライン相談

よりそって話を聞いてくれる
婦人科の先生と出会えます

テレビ・雑誌などメディア出演多数!Inaba Clinic 院長 稲葉可奈子

産婦人科専門医/医学博士

京都大学医学部卒業後、東京大学大学院にて医学博士号を取得。
「産婦人科を受診するハードルを下げたい」という思いから、2024年渋谷にクリニックを開業。 双子を含む4人の子どもを育てながら、テレビやネットニュースなど各種メディアにもコメンテーターとして出演している。
著書に『シン・働き方 ~女性活躍の処方箋~』があり、 SNS総フォロワー数3万人の「医療インフルエンサー」としても情報発信を続けている。