日中も夜用ナプキンが手放せない… それ、過多月経かも?

公開日:2025年10月27日

生理の際、何度もナプキンを替えなければならなかったり、夜用を使っても漏れてしまったり……。「生理がつらい」「これって普通なのかな?」と感じたことはありませんか?

それはもしかしたら、「過多月経」と呼ばれる状態かもしれません。過多月経が続き、生理の量が多すぎると、貧血を引き起こし、日常生活にも支障をきたすことがあります。

そこで今回は、過多月経についてわかりやすく解説します!

過多月経とは?

日本産婦人科学会によると、1回の生理での経血量は20〜140mlが正常とされています。それを超える場合は「過多月経」と呼ばれます。

とはいえ、経血の量を正確に把握することは難しく、他の人と比べる機会も少ないため、自分の出血量が多いかどうかに気づきにくいことがあります。

まずは、セルフチェックから始めてみましょう。

これって過多月経?
気になる症状をセルフチェック

これらの質問にいくつか当てはまる場合は、過多月経の可能性が高いです。

  • 1〜2時間以内にナプキンやタンポンを取り替えなければならない
  • 一晩に何度も起きてナプキンを取り替える必要がある
  • 昼でも夜用のナプキンを使うほど出血量の多い日がある
  • 1回の生理の中で、凝血塊(ぎょうけっかい:レバーのような血の塊)が何度も出る
  • 生理期間が7日以上である
  • 生理痛がひどい
  • 以前よりも出血量が増えてきた
  • 貧血の症状(動悸、息切れ、疲労感、頭痛など)がある

参考:産婦人科医会

過多月経の原因

過多月経の原因には、主に2つのタイプがあります。

① 子宮の病気によるもの

子宮に何らかの病気があると、出血量が増えることがあります。考えられる主な疾患には以下のようなものがあります。

▼良性腫瘍(りょうせいしゅよう)
「腫瘍」とは、細胞が異常に増えてできた“できもの”のこと。
良性腫瘍は比較的おだやかな性質で、命に関わることは少ないとされていますが、大きくなると症状を引き起こすことがあります。

  • 子宮筋腫:子宮にできる良性のこぶのような腫瘍
  • 子宮内膜ポリープ:子宮内にできる小さなふくらみ
  • 子宮腺筋症:子宮の筋肉の中に内膜のような組織が入り込んでしまう状態

▼悪性腫瘍(あくせいしゅよう)
いわゆる「がん」と呼ばれるもので、周囲の組織に広がったり、他の臓器に転移したりする恐れがあります。早期発見・治療がとても重要です。

  • 子宮体がん:子宮の内側にできるがん
  • 子宮頸がん:子宮の入口(子宮頸部)にできるがん

過多月経の背景にこうした病気が隠れている場合もあります。
特に悪性のものかどうかを調べるためにも、婦人科での検査はとても大切です。
経血の量に違和感を感じたら、医師に相談しましょう。

2つ目は、ホルモンや血液のバランスの乱れです。
排卵がうまくいかなかったり、ホルモンの分泌が不安定だったりすると、生理の量が多くなることがあります。こうした状態は、体の変化が大きい思春期や更年期に起こりやすいのが特徴です。

婦人科での検査や診察はどのよう?

過多月経の検査や診察は、以下のような流れで行われるのが一般的です。

① まず診察室で問診を行ったあと、内診や超音波検査を行います。必要に応じて、がん検診なども実施されます。

② 次に、月経周期にあわせて血液検査を行い、ホルモンバランスや血液の凝固機能に異常がないかを調べます。場合によっては、MRIなどの詳しい画像検査や病理組織検査が追加されることもあります。

③ こうした検査結果をもとに、過多月経の原因が子宮や卵巣にあるのか、血液の異常など他の要因によるものなのか、あるいはその両方が関係しているのかを診断していきます。

「いつものことだから」と放置せず、少しでも不安があれば早めに婦人科で相談してみてください。

参考:KMバイオロジクス株式会社(監修:エルム女性クリニック 院長 佐藤秀平先生)

まとめ

生理の経血量が多い、貧血の症状が続いてつらいと感じたら、それは「過多月経」かもしれません。原因は子宮の病気やホルモンバランスの乱れなど様々です。気になる症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。

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