<更年期のめまい>原因や特徴は?対処法はある?

公開日:2026年3月16日

40代後半から50代にかけて「めまい」に悩む女性は少なくありません。更年期のホルモン変動が自律神経に影響し、ふらつきや立ちくらみを感じやすくなるためです。

本記事では、更年期に起こるめまいの原因や特徴を整理し、自宅で取り入れやすいセルフケアをご紹介します。

更年期に「めまい」が起こる原因とは?

更年期にめまいが起こりやすいのは、ホルモンバランスの変化が大きく関係しています。

40~50代になると女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌が乱高下しながら減少することで、自律神経のはたらきが乱れやすくなり、血流や血圧の調整が不安定になるのです*1。その結果、立ち上がったときにふらついたり、急に視界が揺れるような感覚を覚えたりすることがあります。

ストレスや睡眠不足が重なると、自律神経の乱れがさらに強まり症状が悪化しやすくなるため注意が必要です。

このほかに、耳の奥の前庭(平衡感覚をつかさどる器官)が影響を受けている可能性も考えられます。

更年期に起こりやすいめまいの種類&特徴

更年期にみられるめまいは、いくつかのタイプに分けられます。

【浮動性めまい】
ホルモン変動による自律神経の乱れが背景にある場合、ふわふわと雲の上を歩くような感覚の浮動性めまいが起こりやすいのが特徴です。血流や血圧の調整がうまくいかないことで、立ちくらみや体の揺れを感じることがあります*1 *2

【回転性めまい】
耳の奥にある前庭が関与しているケースでは、ぐるぐる回るような回転性めまいが出る場合があります*2

このように、更年期のめまいにはさまざまなタイプがあり、原因によって症状も違ってきます。まずは自身にあらわれている症状を把握し、適切な対処へとつなげていくことが大切です。

更年期のめまい対策
【ツボ・漢方・生活習慣】

更年期のめまいを軽くするために、まずはセルフケアから始めてみてはいかがでしょうか。ここでは、ツボ押しや漢方、生活習慣の見直しのポイントをご紹介します。

ツボ

めまいのケアとして、日頃の生活に取り入れやすい方法の一つが、ツボ押しです。ツボを刺激することで血流が促され、自律神経のバランスを整える助けになります。

代表的なのは、手首のしわから指三本分下がった位置にある「内関(ないかん)」と呼ばれるツボです。めまいや吐き気をやわらげるのに効果が期待できます。

もう一つは「百会(ひゃくえ)」で、頭のてっぺんにあるツボです。血流を促し、気持ちを落ち着かせるはたらきがあるとされています。

ツボ押しは特別な道具もいらず、ちょっとした隙間時間でできるセルフケアです。症状が強いときは医療機関を頼りながら、セルフケアの一つとして活用してみましょう。

漢方

更年期のめまい対策として、漢方薬を取り入れる方法があります。漢方は一人ひとりの体質や症状に合わせて処方されるため、複数の不調をまとめて整えるのに役立ちます。

更年期のめまいは、ホルモン変動による自律神経の乱れや血流の不安定さが関係していることが多く、漢方はこうした「全身のバランスを整える考え方」にもとづいています。市販薬ではなく、医師の診察を受けたうえで処方してもらうのが安心です。

代表的な漢方薬として、のぼせやほてりを伴う症状に用いられる「加味逍遙散(かみしょうようさん)*3」、冷えや疲れやすさを改善する「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)*4」、体力が低下している人のめまいに適する「六君子湯(りっくんしとう)*5」などがあります。

生活習慣

更年期のめまい対策には、生活習慣を整えることが重要です。生活習慣の改善により、自律神経の乱れやホルモン変動による不調の軽減が期待できます。

特に意識したいのは、規則正しい睡眠とバランスのとれた食事です。

毎日ほぼ同じ時間に寝起きすることで自律神経が安定しやすくなり、睡眠の質も向上します。食事では、タンパク質やビタミン、カルシウム、大豆イソフラボンを含む食品を意識的に取り入れると、ホルモン変動の影響を受けにくい体づくりにつながります。

自律神経の調整には、軽い有酸素運動やストレッチで血流を促すのも効果的です。ストレスは症状を悪化させる要因となるため、趣味やリラックスの時間をもつのも良いでしょう。

このように、生活習慣の見直しはめまいの改善だけでなく、心身の健康維持にもつながります。長く続けるためには、無理のない範囲で少しずつ取り入れるのがおすすめです。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。

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テレビ・雑誌などメディア出演多数!Inaba Clinic 院長 稲葉可奈子

産婦人科専門医/医学博士

京都大学医学部卒業後、東京大学大学院にて医学博士号を取得。
「産婦人科を受診するハードルを下げたい」という思いから、2024年渋谷にクリニックを開業。 双子を含む4人の子どもを育てながら、テレビやネットニュースなど各種メディアにもコメンテーターとして出演している。
著書に『シン・働き方 ~女性活躍の処方箋~』があり、 SNS総フォロワー数3万人の「医療インフルエンサー」としても情報発信を続けている。