更年期の【イライラ】に対処法はあるの?

公開日:2026年4月13日

些細なことで家族に強く当たったり、普段なら流せることにカッとなったり。
更年期世代のイライラは、自分ではコントロールできない厄介さがあります。

「また怒ってしまった」と落ち込む前に、なぜこんなにイライラするのか、どう向き合うか知っておくことが大切です。
感情の波に振り回されないためのヒントを一緒に見つけていきましょう。

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イライラの原因は?

更年期のイライラは、ホルモンバランスの急激な変化が引き金になっています。
加齢とともに卵巣機能が低下すると、エストロゲンの分泌が不安定になります*1
エストロゲンは感情を安定させ、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンと関わっているため、分泌量が減ると感情をコントロールしづらくなるのです。

さらに、更年期世代は環境的なストレスも重なりがち。
子どもの進路や親の介護、仕事の責任など、心身の負担が増える時期です。
ホルモンの影響で心の余裕がなくなっているところに外的ストレスが加わると、些細なことでも我慢の限界を超えることがあります。

更年期症状のイライラ対策
【生活習慣・漢方・サプリ・ハーブ】

イライラを少しでも和らげるために、まずは毎日の生活の中でできることから始めてみましょう。

生活習慣

まず取り入れたいのが、適度な運動です。
ウォーキングなどの軽い有酸素運動はセロトニンの分泌を助け、気分を整えるといわれています。
週に2~3回、20〜30分ほどのペースから始めると続けやすいでしょう。

心のバランスをとり戻すためには、睡眠の質を上げることも欠かせません。
夜ぐっすり眠れないと、日中のイライラが強まりやすくなります。
就寝前のスマホを控える、寝室を暗く適温に整えるなど、リラックスして眠れる環境を意識しましょう。

食事の面では、大豆製品に含まれるイソフラボンが注目されています。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンに似たはたらきをもつ成分で、更年期特有の心身のゆらぎをやわらげる効果が期待できます。
豆腐や納豆などを毎日の食卓に取り入れるのが、手軽でおすすめです。

漢方

イライラや不安感に悩む更年期世代には、漢方薬を取り入れるのも選択肢のひとつです。
なかでも加味逍遙散(かみしょうようさん)*1 *2は、気分の落ち込みやイライラに用いられる代表的な漢方薬です。
体力が弱めで、疲れを感じやすいタイプの人に向いているとされています。

抑肝散(よくかんさん)*3は、神経の高ぶりを落ち着かせる目的で使われることが多く、些細なことでカッとなりやすい場合に使われます。

また、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)*1 *4は血の巡りを改善し、のぼせやイライラに効果があるとされています。

漢方はその人の体質や症状の出方に合わせて選ぶ必要があるため、自己判断ではなく、専門の医師や薬剤師に相談してみましょう。

サプリ・ハーブ

必要に応じて、サプリメントを補助として使う手もあります。
更年期症状の緩和が期待されるエクオールは、大豆イソフラボンから腸内細菌によって作られる成分です。
体内で作れない人もいるため、サプリで補う人が増えています。

神経の興奮を抑えるはたらきがあるとされるギャバ(GABA)は、リラックスをサポートする成分として知られています。

セントジョーンズワートは気分の落ち込みに用いられるハーブですが、薬との相互作用があるため、事前に医師に相談してから使いましょう。

サプリメントはあくまで補助役です。
効果の感じ方には個人差があることも踏まえつつ、無理なく続けられる形で取り入れましょう。

イライラで受診するのは婦人科?
心療内科?

イライラがひどくて日常生活に支障が出ている場合、我慢せず医療機関を受診することをおすすめします。

まずは、婦人科の受診が基本です。
更年期症状の総合的な診断ができ、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬など、ホルモンバランスの乱れに直接アプローチする治療法を提案してもらえるでしょう。
更年期外来やメノポーズ外来を設けている医療機関なら、より専門的な対応が期待できます。

一方で、不眠や不安感が強い、気分の落ち込みが続いて何もする気が起きないといった場合は、心療内科や精神科が適していることもあります。

更年期症状とうつ状態は見分けにくいことがあるため、両方の視点から診てもらえる医師を探すのも良いでしょう。
最近では、婦人科と心療内科が連携して治療にあたるケースも増えています。

どちらに行くか迷ったら、まず婦人科で相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらうとスムーズです。

ひとりで抱えずに相談することで、適した治療や対処法が見つかりやすくなります。
迷ったときは、まず専門家に相談してみてください。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。

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テレビ・雑誌などメディア出演多数!Inaba Clinic 院長 稲葉可奈子

産婦人科専門医/医学博士

京都大学医学部卒業後、東京大学大学院にて医学博士号を取得。
「産婦人科を受診するハードルを下げたい」という思いから、2024年渋谷にクリニックを開業。 双子を含む4人の子どもを育てながら、テレビやネットニュースなど各種メディアにもコメンテーターとして出演している。
著書に『シン・働き方 ~女性活躍の処方箋~』があり、 SNS総フォロワー数3万人の「医療インフルエンサー」としても情報発信を続けている。