正しく知ろう、子宮頸がん——検診と早期発見の大切さ

公開日:2025年10月13日

20〜30代の女性に増えている「子宮頸がん」。治療法や予防ワクチンがあるにも関わらず、日本では進行してから見つかることも少なくありません。

この記事では、子宮頸がんの基礎知識や検診内容についてわかりやすく紹介します。正しい知識を身につけて将来の予防に繋げましょう。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮の下から3分の1、膣につながる部分)の入り口にあたる外子宮口付近に発生するがんです。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると不正出血や性行為時の痛み、下腹部の痛みなどが現れることがあります。これらの症状が現れたときには、すでにがんが進行している可能性があるため、定期検診を受けて早期発見することが大切です。

子宮頸がんの原因は?

子宮頸がんの主な原因は、性交渉を通じて感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)です。特に性交経験がある女性は誰でもHPV感染のリスクがあり、感染が続くことでがんのリスクが高まります。HPV感染を防ぐには、①HPVワクチンの接種と②子宮頸がん検診の定期的な受診が重要とされています。HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が推奨されています。20歳になったら定期的に検診を受けるようにしましょう。

子宮頸がん検診について

子宮頸がんの初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な検診が非常に重要です。厚生労働省では、20歳以上の女性に対して2年に1回の検診を推奨しています。

検診には「細胞診」と「HPV検査」の2種類があります。
「細胞診」では、子宮頸部から細胞を採取し、異常がないか顕微鏡で調べます。
「HPV検査」は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しているかどうかを確認する検査です。どちらの検査も痛みはほとんどなく、短時間で終了します。

多くの自治体では、検診の無料クーポンを配布したり、費用を一部負担しています。市区町村によって負担内容が異なるため、お住まいの地域のホームページや窓口で詳しく確認してみて下さいね。

ワクチンとその現状

子宮頸がん予防ワクチンは、WHOによって推奨され、現在多くの先進国で公的に接種が行われています。このワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)に対する予防効果があります。これにより、がんの前段階である「異形成」の進行を90%以上予防でき、がんのリスクを大幅に減少させることができます。

ワクチンは筋肉注射で接種され、接種部位に軽い痛みや腫れが生じることがありますが、通常は数日以内に回復します。接種を受けたからといって完全にHPV感染を防げるわけではありませんが、予防効果は非常に高く、特に若年層のうちに接種することで、その後の子宮頸がんリスクを劇的に減少させることができます。

現在、過去に接種機会を逃した世代に対してキャッチアップ接種が進められており、2025年3月末までに1回以上接種した方は、2026年3月末まで公費で接種を受けることが可能です。これにより、接種機会を逃した方々も無料でワクチンを受けることができます。詳細については、厚生労働省のホームページを参照してください。

※HPVワクチンは、平成25(2013)年6月から、積極的な勧奨を一時的に差し控えていましたが、令和3(2021)年11月に、専門家の評価により「HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」とされ、令和4(2022)年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨を行っています。(参照:厚生労働省 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~)

不安なことがあれば病院へ

子宮頸がんや検診について不安がある場合は、婦人科での相談をお勧めします。専門の医師があなたの不安を解消し、適切なアドバイスを提供してくれます。早期発見と予防のために、定期的に検診を受けることが大切です。

まとめ

子宮頸がんは、予防と早期発見が可能ながんのひとつです。定期的な検診を受けることや、HPVワクチンを接種することによって、子宮頸がんのリスクを減らせる可能性もあります。自分の健康を守るために、正しい知識と適切な対応を心掛けましょう。

参照:https://www.shikyukeigan-yobo.jp/disease/