<更年期のつらさ>周囲にうまく伝えるコツ

公開日:2026年1月12日

更年期の不調は見た目には分かりにくく、周囲から誤解されやすいものです。体や心の変化を抱えながら日常を送る中で、家族や職場にどう伝えればいいのか悩む方も少なくありません。

本記事では、家族や身近な人や職場への上手な伝え方と、理解を得やすくするための工夫をご紹介します。自分の状況を伝えて理解を得ながら、安心して過ごせる環境を少しずつ整えていきましょう。

「なまけている」理解されない更年期症状

更年期の不調は、見た目には分かりにくく「なまけているだけ」と思われることがあります。ですが、その原因は体の変化にあり、本人の努力不足とは関係がありません。

更年期に入ると、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が不安定になり、自律神経が乱れやすくなります。その影響で、強い疲労感や集中力の低下、動悸、めまい、不眠などが起こりやすくなるのです*1 *2。これらの不調はホルモンバランスの乱れが原因であり、意志や気力だけでコントロールできるものではありません。

たとえば、何時間眠っても疲れがとれず、家事や仕事に集中できない日が続くことがあります。急なほてりや発汗、情緒の不安定さによって、人と会うことや外出がつらく感じられる場合も。こうした変化は本人にとっても戸惑いが大きく、周囲の理解が得られないと、さらに気持ちが落ち込んでしまうこともあります。

このように、更年期症状は単なる「気の持ちよう」ではなく、ホルモンや自律神経の変化によって引き起こされる心身の不調です。つらい状態が続くときは、無理に我慢したり隠したりせず、医療機関へ相談することも考えてみましょう。

伝え方1
家族や身近な人へは素直に助けを求める

家族や身近な人には、つらさを抱え込まず、率直に助けを求めることが大切です。身近な存在だからこそ、普段の変化に気づいてもらいやすく、サポートを得やすくなります。

更年期症状の倦怠感や頭痛、気分の落ち込みなどが、日常生活に支障をきたすこともあります。こうした不調は本人にしか分からない部分も多く、黙っているだけでは周囲に理解されにくいのが現実です。

「夕方になると疲れが強くなるから、夕食の準備を手伝ってほしい」
「洗濯物はそれぞれ自分のものを片づけてくれると助かる」
など、はっきりとしてほしいことを依頼すると、相手も行動に移しやすくなります。

また、
「最近体調が安定しないから、少し休む時間を増やしたい」
など理由を添えることで、相手の理解も得やすくなるでしょう。

家族は近い存在だからこそ、つい遠慮してしまうこともあります。けれど、無理を重ねれば心身への負担は大きくなる一方です。具体的な状況や必要なサポートを伝えることは、自分を守るだけでなく、家族や身近な人との信頼を深めるきっかけにもなります。

まずは、日常のちょっとしたことからでも構いません。素直に「ヘルプ」を出してみることから始めてみましょう。

伝え方2
職場へは具体的にどうしてほしいか説明

職場では、体調の変化をただ伝えるだけでなく、「具体的にどうしてほしいか」をセットで話すことが大切です。要望がはっきりしていると、相手も対応しやすくなるでしょう。

勤務時間や仕事内容によっては疲労やプレッシャーで、更年期の症状がさらに強まることも。ただ「体調が悪い」と伝えるだけでは、相手もどのように配慮すればよいのか判断しづらくなります。

たとえば、
「午前中は症状が出やすいので、重要な会議は午後にしてもらえると助かります」
「立ち仕事が続くと体調が悪化するので、途中で座る時間を確保したい」
など、具体的な対応策を添えて話すと、相手も状況を理解しやすくなります。業務に支障が出ない形で調整できれば、お互いに負担を減らせるでしょう。

無理を続けて働けば、症状が悪化し、長期の休職や離職につながる可能性もあります。職場での信頼関係を保ちつつ、自分の健康を守るためにも、体調とあわせて具体的な要望を伝えることが大切です。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。

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