「食生活」で更年期をやわらげるコツ
公開日:2026年3月30日
40代後半から50代にかけて、ほてりやイライラ、倦怠感といった更年期の不調に悩む女性は少なくありません。
こうした症状は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少が大きく影響しています。
セルフケアとして取り組みやすいのが、毎日の「食事」の見直しです。
特定の栄養素を意識的に取り入れることで、ホルモンバランスの乱れをやわらげ、心身の負担を軽くできる可能性があります。
本記事では、更年期を少しでも楽に過ごすための食生活のコツをご紹介します。
何を食べたらいいのか、逆に控えた方がいいものはあるのか。
日常で取り入れやすいポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
エストロゲンを「補う」大豆製品
更年期の不調をやわらげる食材として注目したいのが、大豆製品です。
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」という成分は、体内でエストロゲンに似たはたらきをするため、減少した女性ホルモンを補う助けになります*1。
大豆イソフラボンは、豆腐、納豆、豆乳、味噌、きな粉といった身近な食品から手軽に摂取できます。
毎日の食事に納豆を1パック加えたり、間食に豆乳を飲んだりするだけでも、無理なく続けられるでしょう。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。
食品安全委員会では、1日あたりの大豆イソフラボンの摂取目安量を70〜75mg程度としています*2。納豆1パックに約35mg、豆腐半丁に約40mgほどの大豆イソフラボンが含まれているため、毎食に取り入れるのではなく、1日1〜2回を目安にバランスよく摂るようにしましょう。
このように、大豆製品を日常的に取り入れることで、エストロゲンの減少による不調を穏やかにする効果が期待できます。
特別な食材ではなく、スーパーで買えるものばかりなので、今日からでも始められるセルフケアです。
エストロゲンを「整える」ビタミン
ホルモンバランスを整えるには、ビタミン類の摂取も欠かせません。
特にビタミンB群、ビタミンE、ビタミンDは、更年期の体をサポートする栄養素として知られています*3。
【ビタミンB群】
神経の安定やエネルギー代謝にかかわり、イライラや疲労感の軽減に役立ちます。
豚肉、レバー、玄米、卵、バナナなどに豊富に含まれており、日々の食事で意識して取り入れたい栄養素です。
【ビタミンE】
血流を促し、ホルモンバランスの調整をサポートします。
アーモンドやくるみなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカド、植物油に多く含まれています。
間食にナッツをひとつかみ食べるだけでも、手軽に補給できるでしょう。
【ビタミンD】
骨の健康維持に加え、ホルモンの生成にも関与しています。
エストロゲンが減ると骨密度が低下しやすくなるため、更年期以降は特に意識したい栄養素です。
鮭やサバなどの魚類、きのこ類に含まれるほか、日光を浴びることで体内でも生成されます。
こうしたビタミンをバランスよく摂ることで、ホルモンの変動に左右されやすい心身を、内側から支えることができます。
毎日の食事に少しずつ取り入れ、無理なく続けられる食習慣を目指しましょう。
避けた方がいい食べ物・飲み物はある?
更年期の症状を悪化させないためには、控えた方がよい食べ物や飲み物もあります。
すべてを完全に断つ必要はありませんが、摂りすぎに注意することで体への負担を減らせます。
まず気をつけたいのが、カフェインです。
コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに多く含まれているカフェインは、自律神経を刺激し、ほてりや動悸、不眠を悪化させる可能性があります。
カフェインを含む飲み物は、1日1〜2杯程度にとどめ、夕方以降は控えるのが安心です。
アルコールも、ほてりやのぼせを引き起こしやすくなり、ホットフラッシュを悪化させるおそれがあります。
少量であれば気分転換になることもありますが、飲みすぎは睡眠の質を下げ、翌日の体調にも影響します。
量や頻度を控えて楽しむようにしましょう。
糖質や脂質の多い食事も注意が必要です。
甘いお菓子や揚げ物、ファストフードなどは血糖値を急上昇させ、ホルモンバランスをさらに乱す原因になります。
また、更年期以降は代謝が落ちやすく、体重が増えやすい時期でもあるため、食べすぎには気をつけましょう。
辛い食べ物も、体を温めすぎることで汗やほてりといったホットフラッシュの症状を誘発・助長することがあります。
香辛料の効いた料理が好きな方は、症状が強いときには控えめにするとよいでしょう。
このように、食生活のちょっとした工夫で更年期の不調を軽くすることは十分に可能です。
まずは取り入れやすいものから始めて、無理なく続けることが大切です。
執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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産婦人科専門医/医学博士
京都大学医学部卒業後、東京大学大学院にて医学博士号を取得。
「産婦人科を受診するハードルを下げたい」という思いから、2024年渋谷にクリニックを開業。 双子を含む4人の子どもを育てながら、テレビやネットニュースなど各種メディアにもコメンテーターとして出演している。
著書に『シン・働き方 ~女性活躍の処方箋~』があり、 SNS総フォロワー数3万人の「医療インフルエンサー」としても情報発信を続けている。
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