200種類以上も!?さまざまな更年期の症状一覧

閉経前の5年と閉経後の5年の約10年間にあたる更年期は、心身にさまざまな不調が現れやすいことをご存知でしょうか。
その不調の種類はなんと200以上もあるといわれています。

今回は更年期の主な症状について解説します。
更年期症状があらわれていると感じている方や、これから更年期を迎える方は、ぜひ参考にしてください。

更年期障害の三大症状とは?

更年期障害の症状は、「血管運動症状」「身体症状」「精神症状」の3種類に大きく分けられます。

更年期障害の原因である女性ホルモン「エストロゲン」の減少によって、自律神経が乱れ、心身にさまざまな症状を引き起こします。

血管運動神経症状は、自律神経のバランスが乱れて血流の調整がうまくいかないことで起こります。
ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)、動悸、冷えなどが挙げられます。

身体症状は、身体に現れる症状のことです。
頭痛・めまい・耳鳴り・倦怠感といった症状の他、肩こり・腰痛・関節痛・しびれなどの運動器症状、胃腸症状、乾燥・かゆみなどの皮膚粘膜症状、性交痛・排尿障害などの泌尿生殖器症状などが挙げられます。

そして、注意しなければならないのが精神症状です。
自律神経は気持ちのコントロールにも関係してることに加えて、女性ホルモンの減少は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌低下に繋がるため、更年期は精神的な症状も強くあらわれやすいのが大きな特徴です。
抑うつ、意欲低下、不眠、いらいら感、不安感などの症状が挙げられます*1

チェックしよう!更年期の女性に多い症状

更年期障害の症状は多岐にわたりますが、多くみられる症状をご紹介します。

ホットフラッシュ

更年期障害の最も代表的な症状で、ほてり(突然顔がカーッと熱くなる)・のぼせ・発汗が突然起こります。自律神経の乱れによって、血管の収縮・拡張のコントロールがうまくいかないことで起こります。

動悸や息切れ

激しい運動をしたわけでもないのに、突然心臓がドキドキしたり、息苦しくなったりします。
自律神経には心臓の動きや呼吸などをコントロールする役割があるため、こうした症状が起こります。

肩こり・腰痛

血流が悪くなることで起こる症状で、頻度が高いといわれています。

めまい・耳鳴り

自律神経の乱れに加え、視覚や聴覚など感覚器官の加齢によってもめまいや耳鳴りが引き起こされるといわれています。

倦怠感・疲労感

「何もする気が起こらない」「常に疲れていてだるい」という症状も、更年期の症状として含まれます。

頭痛

片頭痛と緊張型頭痛の2種類がありますが、片頭痛は女性ホルモンの減少が原因のひとつと考えられており、緊張型頭痛は血行不良が原因のひとつと考えられています。

不眠

自律神経の乱れは睡眠の質を低下させるため、寝つきが悪い、眠りが浅いといった症状があらわれます。
また、動悸やホットフラッシュが夜間に起こることで睡眠が妨げられることも考えられます。

イライラ・抑うつ・不安感

女性ホルモンや自律神経は、精神状態に深く関与します。
イライラする、気持ちが落ち込む、何しても楽しめない、不安感に襲われるなどの精神症状は、更年期に多くみられる症状のひとつです。

泌尿器・婦人科系のトラブル

女性ホルモンの減少や加齢に伴い、膀胱の筋肉や骨盤底筋が弱くなったり、尿路の粘膜が乾燥して萎縮することで、頻尿や尿漏れが起こりやすくなります。
また、女性ホルモンの乱れや膣の乾燥・萎縮により、不正出血、おりものの異常、外陰部のかゆみ、性交痛などの婦人科トラブルがあらわれやすくなります。

どんな症状があらわれるかは十人十色

更年期障害の症状は、あらわれる種類や程度に大きな個人差があります。
女性ホルモンのレベル、環境や性格、身体的・心理的ストレス、PMS(月経前症候群)や産後うつなどの既往歴の有無といった多くの因子が複雑に絡み合い、個々の更年期の症状としてあらわれます。

不調が更年期の症状なのか分からない方や、日常生活に影響をきたす症状がある方は、まずは婦人科で相談してみましょう。

浅田 麻希

執筆者

浅田 麻希

薬剤師

昭和薬科大学薬学部卒業後、総合病院や有名皮膚科の門前薬局で薬剤師として10年以上勤務。
漢方医学やアーユルヴェーダを専門家から学び、東洋医学の知識を深める。
現在は2児の母となり、都内の調剤薬局で勤務しながら薬剤師ライターとして活動している。