子宮筋腫とは?原因・症状・治療法をわかりやすく解説!

公開日:2025年11月13日

子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできるこぶのようなできもので、良性の腫瘍です。婦人科疾患の中でも最も多く見られる病気のひとつですが、症状によっては日常生活に大きな影響を及ぼすこともあります。

(他の主な婦人科疾患についてはこちら:これだけは知っておきたい婦人科疾患

今回は、子宮筋腫の症状や検査・治療方法について詳しく解説していきます。

1. 子宮筋腫の特徴と発症しやすい年齢

子宮筋腫は30ー40代が最も多く見られます。筋腫は発生する部位で3つに分類されますが、それぞれで症状が異なるため適切な診断が重要です。

筋腫の種類 発生部位
漿膜(しょうまく)下筋腫 子宮の外側
筋層内筋腫 子宮の筋肉層内
粘膜下筋腫 子宮の内側

参照:公益社団法人 日本産科婦人科学会 子宮筋腫

2. 子宮筋腫の主な症状

症状は筋腫の大きさや位置によって大きく異なります。 小さな筋腫(3センチ以下)ではほとんど症状が出ないことが多いですが、徐々に大きくなるにつれて、以下のような症状が現れることがあります。

2.1 月経異常(月経過多・生理痛の悪化)

最も多く見られる症状が月経異常です。500円玉ほどのレバー状の血の塊が出る場合や、夜用ナプキンを1〜2時間ごとに交換する必要がある場合は、過多月経の可能性があります。また、生理痛が以前より強くなっている場合も注意が必要です。

2.2 下腹部の痛み・膨らみ・圧迫

筋腫が大きくなると、下腹部の膨らみや痛み、腰痛を感じることがあります。さらに、筋腫が周囲の臓器を圧迫するほど大きくなると、頻尿や便秘などの症状を引き起こすことがあります。

2.3 不妊や流産のリスク

子宮筋腫が受精卵の着床を妨げたり、胎児の成長を阻害したりするため、不妊症や不育症の要因となる場合があります。

参照:

3. 子宮筋腫の検査・診断方法

子宮筋腫の診断は、以下のような複数の検査方法を組み合わせて行います。

3.1 問診・内診

問診では医師が、月経周期や月経の状態、不正出血の有無などについて詳しく確認します。続いて内診で子宮の大きさや形、硬さを調べます。

3.2 超音波(エコー)検査

超音波検査は子宮筋腫の診断において最も重要な検査の一つです。この検査により筋腫の有無、個数、大きさ、位置などがわかります。

3.3 MRIや血液検査での精密診断

より詳細な情報を得るためにMRI検査を行い、筋腫の位置や大きさを測定するとともに、他の疾患との鑑別診断を行います。また、血液検査では貧血の程度や炎症反応、腫瘍マーカーなどを確認することがあります。

参照:子宮筋腫の診断・治療・手術療法 - 東京逓信病院

4. 子宮筋腫の治療法

子宮筋腫の治療は症状の程度、筋腫の大きさや位置、年齢、妊娠希望の有無などを考慮して決定されます。治療の方法は以下の通りです。

4.1 経過観察(症状が軽い場合)

小さな筋腫で症状がない場合は治療せず経過を観察します。

4.2 薬物療法(ホルモン治療・症状緩和)

子宮筋腫を根本的に治す薬はありませんが、子宮筋腫を小さくして症状を改善したり痛みの症状を軽くしたりすることはできます。 薬を使った治療には以下のようなものがあります。

治療法 内容・目的
偽閉経療法 一時的に閉経状態を作って筋腫を縮小
非ステロイド性抗炎症剤 痛みを和らげる
鉄剤 過多月経による貧血を改善
ピル 月経量をコントロールし、症状を緩和
子宮内黄体ホルモン放出システム 子宮内膜を薄くして過多月経や月経困難を軽減

4.3 手術療法(筋腫核出術・子宮全摘・子宮鏡下手術)

手術療法は、妊娠を希望するかどうか、手術の侵襲度、筋腫の大きさや位置、個数などを総合的に考慮して決定されます。

4.4 低侵襲治療(UAEなど)

症状が薬剤治療などで改善せず手術を希望しない場合に選択肢になる治療法です。

子宮動脈塞栓術(UAE)は、血管内にカテーテルを挿入し血流を遮断して筋腫を縮小させます。開腹手術に比べて身体への負担が少ないですが、妊娠機能の低下などの合併症を引き起こす可能性もあります。

参照:

5. 不安なことがあれば病院へ

子宮筋腫は、場合によって日常生活に大きな影響を与える可能性があります。早期発見・早期対応により、より良い治療選択肢を得ることができるでしょう。

5.1 受診を勧める症状の目安

以下の症状に気づいたら婦人科へ受診してみましょう。

  • 以前より明らかにナプキンを短時間で変えなければならない
  • 生理痛が徐々に強くなっている
  • 貧血
  • 下腹部痛・しこりをしっかりと触ることができる

5.2 早めの診断が大切な理由

早期診断により症状が軽いうちに薬物療法で症状をコントロールできる可能性が高くなるため、不安なことがあれば婦人科の先生に相談しましょう。

しかし、婦人科に行く時間がない、対面で話すのは緊張するなどの場合オンライン診療がおすすめです。オンラインで受けると移動時間や待ち時間を取らずに自宅から気軽に相談できます。またデリケートな相談をしたり定期的な診療を受けたりしやすいので安心です。

参照:メリットメディカル・ジャパン株式会社 子宮筋腫note 受診のタイミング

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