これだけは知っておきたい!身近な婦人科系疾患

公開日:2025年7月21日

婦人科疾患は誰でもかかりやすい病気であるにも関わらず、自覚症状が出にくいものでもあります。早期発見するためにも、日頃から小さなカラダの変化に目を向けて、気になる症状は早めに医師に相談しましょう。

「月経(生理)」の正常って知ってる?

意外と月経の正常、異常って知らないですよね。
月経の異常に気づけると、体からのサインとして婦人科疾患の早期発見につながることがあります。おさらいをしておきましょう!

まず、知っておくべき「月経」の正常

  • 月経周期:25〜38日
  • 月経期間:3〜7日
  • 経血量:20〜140ml
    (多い日でも2〜3時間に1回程度のナプキン交換で済む場合は正常範囲内)
  • 月経痛:日常生活に支障がない軽い程度

月経は個人差が非常に大きいので、もし自分がこの目安よりも少し外れていてもあまり神経質になる必要はありません。ですが、気になる場合は一度、婦人科を受診しましょう。

身近な婦人科系疾患

月経困難症

いつもより、おなかが痛いと感じることはありませんか? 日常生活に支障をきたすほどの月経(生理)痛を「月経困難症」と言います。

機能性月経困難症
子宮や卵巣に異常はないものの、体質やストレスが原因で痛みが起こることがあります。特に10代〜20代に多く、下腹部痛のほかに腰痛や胃痛、嘔吐、下痢、発熱などが一緒に現れることもあります。

器質性月経困難症
病気が原因で起こる月経困難症を器質性月経困難症と言います。30代以降に多く見られ、病気のサインかもしれません。辛い生理痛が続く場合は、婦人科で相談することをおすすめします。

子宮頸がん

子宮頸がんは子宮の入口にある子宮頚部とよばれる部分に発生するがんです。
原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であり、性的接触により子宮頸部に感染します。
9割の人は免疫のチカラで自然に排除されますが、約1割の人は感染を長時間維持し、さらに数年以上かけて子宮頸がんに進行します。
進行し、子宮頸がんになると性交時の出血・膿のようなおりもの・下腹部の痛み・血尿・血便などの症状が表れることもあります。最近、自治体からも案内があるように、HPVワクチンは子宮頸がんの予防に効果的です。早期接種することで、感染を防ぎ、がんのリスクを大幅に減らすことができます。

子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来子宮内で増える子宮内膜が、子宮以外の場所で増えてしまう病気です。原因はまだ明らかになっていませんが、月経困難症から子宮内膜症につながるということは明らかになってきています。

子宮以外の場所で増えた子宮内膜から、女性ホルモンの影響を受けて月経と同様に周期的な出血が生じて、炎症や痛みが生じます。

子宮内膜症は、女性のライフイベントが多くなりがちな30代に発症することが多いです。また、完全に治すことが難しく、主な症状である痛みと不妊が長期にわたることがあり、治療を行っても再発することが多いため、治療には時間がかかることが一般的です。

子宮内膜症は、10代で発症することもありますが、多くは20代で発症し、30代で最も多く見られます。女性ホルモンの一つであるエストロゲンの影響で病気が悪化することが分かっており、妊娠によって月経がない期間が長い人ほど、子宮内膜症を発症しにくいと考えられています。そのため、妊娠経験が少ない人ほど発症しやすく、近年の晩婚化や少子化に伴い、子宮内膜症の患者は増加傾向にあります。

また、ピル(経口避妊薬)を服用することで、エストロゲンの分泌を抑制することができ、子宮内膜症の症状を軽減する効果があるとされています。ピルは予防や症状の緩和に役立つため、治療法としても選ばれることがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫とは子宮のいろいろな場所にこぶができる病気です。もともと子宮を構成している筋肉がこぶのように1〜数個・多い時で数十個できるものです。

この子宮筋腫がなぜ出来るかは、現在の所まだはっきり分かってはいませんが、女性ホルモンが関係していると言われています。
子宮筋腫は成人女性の4〜5人に1人はあると考えられています。
そのうちかなりの方々は自覚的な症状がありませんが徐々に大きくなるにつれ
経血量が増加したり、腹痛や腰痛、不正出血(月経以外の出血)や、貧血などの症状が出ることがあります。
月経以降も痛みが続いたり、経血量が多いと感じる時はやはり婦人科を受診することが大切です。

乳がん

乳がんは女性がかかるがんの中で一番多いがんですが、早期に発見することができれば、治る確率が非常に高いといわれています。40歳から乳がん検診を受けることができますが、まれに20~30歳代でも発症することがあり、日本人の罹患率は9人に1人と言われています。

「まさか自分が?・・・」とならないようにするためにも
今日から「ブレスト・アウェアネス」、乳房を意識する生活習慣を取り入れましょう。
乳がんの早期発見・早期治療にはとても重要な習慣の一つです。

【ブレスト・アウェアネスの4つのポイント】

  1. 自分の乳房の状態を知る
  2. 乳房の変化に気をつける(乳房のしこり 乳房の皮膚のくぼみや引きつれ 乳頭からの分泌物 乳頭や乳輪のびらん)
  3. 変化に気づいたらすぐ医師に相談する
  4. 40歳になったら2年に1回 乳がん検診を受ける

まとめ

女性は月経や軽い痛みに慣れてしまいがちですが、その中には放置すると病気が進行してしまう症状もあります。カラダからのSOSを見逃さないために、少しでも異変を感じたら早めに医師に相談しましょう。早期発見が大切ですし、早く対処することで健康を守ることができます。自分の体を大切に、気になる症状があればすぐに行動することが大切です。