「だるい・疲れやすい」のは更年期のせい?
公開日:2026年1月19日
更年期に入ると、理由もなく体が重くだるい日が続くことがあります。女性ホルモンの変化による不調であることが多いですが、放っておくと生活の質が下がることもあるため、早めのケアが大切です。
本記事では、更年期のだるさの原因や注意すべき病気、日常でできるセルフケアの方法をご紹介します。
だるさはホルモンバランスの乱れが原因?
更年期に入ってから「何をしても疲れがとれない」、「体が重くてだるい」と感じる方は少なくありません。これは、ホルモンバランスの変化が影響している場合があります。
更年期には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が不安定になり、自律神経のはたらきが乱れやすくなります*1。自律神経は体温や血流、心拍、消化機能など全身を調節しているため、そのバランスが崩れることで、疲労感や倦怠感といった症状が起こりやすくなるのです。
さらに、ホルモンバランスの変化は睡眠の質にも影響を及ぼし、しっかり休んでも疲れが抜けない状態を招くことがあります。以前はこなせていた家事や通勤だけで強い疲れを感じる、集中力が続かない、理由もなく体が重く感じるなどがよくみられる不調です。
更年期のだるさは、ホルモンや自律神経の変化による体からのSOSサインでもあります。
放置すると心身への負担が積み重なり、生活の質が下がることも。気になる症状が続く場合は、生活習慣の見直しやセルフケアに加えて、医療機関での相談も検討してみましょう。
「ひどい倦怠感」は病気の可能性も
強い倦怠感が長く続いている場合、すべてを「更年期のせい」と考えるのは危険です。だるさの背景に、別の病気が隠れている可能性もあります。
更年期のだるさはホルモンや自律神経の変化によって起こりますが、ほかの疾患でも同じような症状がみられます*1。たとえば、甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンが不足して代謝が落ち、強い疲労感や冷え、体重増加などを引き起こします*2。このほかにも、貧血*3や睡眠時無呼吸症候群*4、うつ病*5などが慢性的な倦怠感の原因になることがあります。
夜にしっかり眠ったはずなのに疲れが取れない、軽い動作で動悸や息切れがする、急な体重の増減がある、こうした症状がある場合は注意が必要です。特に、生活に支障が出るほどの疲労感や気分の落ち込みが続くときは、自己判断せずに医療機関で原因を調べてもらいましょう。
「更年期だから仕方ない」と思い込み、受診を先延ばしにすると、治療の開始が遅れて症状が悪化するおそれがあります。強い倦怠感が続く場合は、更年期かどうかの見極めも含めて、早めに専門家へ相談することが大切です。更年期症状全般を相談したい場合は婦人科、倦怠感が強い場合は内科へ受診してみましょう。
更年期症状のだるさを改善する対策&ケア
更年期のだるさは、生活習慣の見直しやセルフケアの工夫でやわらぐことがあります。
この時期は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が不安定になり、自律神経のバランスが乱れやすくなります*1。その影響で、体温調節や血流、睡眠の質が変化し、疲労感や倦怠感が長引くことも。
日々の過ごし方を整えることで、自律神経が安定しやすくなり、だるさの軽減が期待できます。
ご自宅で手軽に取り組めるセルフケアの例を、ご紹介します。
- 朝日を浴びる:起床後すぐにカーテンを開け、日光を浴びて体内時計(概日リズム)を整える
- 適度な有酸素運動:ウォーキングや軽いストレッチを1日20〜30分
- 栄養バランスのよい食事:鉄分(レバー、あさり、赤身肉)、たんぱく質(魚、鶏肉、卵、大豆製品)、ビタミンB群(豚肉、卵、納豆など)を意識して摂取する
- 睡眠環境を整える:就寝前はスマホやPCの使用を控え、ぬるめのお風呂で体を温める
- 体を冷やさない:首・手首・足首などをスカーフや靴下で保温する
体調に合わせて無理のない範囲で続けることが、改善への近道です。セルフケアを行っても不調が続く場合や、症状が強く日常生活に支障が出るときは治療が必要な可能性があります。早めに婦人科で相談してみましょう。
執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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産婦人科専門医/医学博士
京都大学医学部卒業後、東京大学大学院にて医学博士号を取得。
「産婦人科を受診するハードルを下げたい」という思いから、2024年渋谷にクリニックを開業。 双子を含む4人の子どもを育てながら、テレビやネットニュースなど各種メディアにもコメンテーターとして出演している。
著書に『シン・働き方 ~女性活躍の処方箋~』があり、 SNS総フォロワー数3万人の「医療インフルエンサー」としても情報発信を続けている。
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