つらい更年期症状・障害は我慢しない!治療で改善

「急に顔がほてったり、汗が吹き出てきたりして外出が億劫」
「夜ぐっすり眠れなくてつらい」
このような不快な症状を、我慢してはいませんか?
更年期にはホルモンバランスの変化により、心身にさまざまな不調があらわれます。日常生活に支障をきたす場合もあるため、早めに医療機関で相談してみましょう。症状や体質に合わせた治療を取り入れることで、こうした不快な症状を和らげることができます。
更年期症状に対する治療法の代表例は、ホルモン補充療法(HRT)・漢方療法・対症療法などです。本記事では、それぞれの治療法について特徴を詳しくご紹介します。
更年期症状にお悩みの方、受診を迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
エストロゲンを補う|
ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充療法(HRT)とは、女性ホルモン「エストロゲン」を補うことで、更年期にみられるさまざまな症状の軽減・改善を目指す治療法です。
更年期にはエストロゲンの分泌量が急激に減少し、ほてりや発汗、不眠などの症状を引き起こします。HRTでは減少したエストロゲンを補うことにより、心身のバランスを整える効果が期待できます*1 *2。
HRTには飲み薬や貼り薬、塗り薬などがあり、症状や体質に合わせて選ぶことが可能です。
ただし、副作用のリスクもあるため、定期的に診察を受ける必要があります。現在服用中のお薬やサプリメントがあれば、受診時にお薬手帳やサプリメントのパッケージ等を持参するとスムーズです。
女性ホルモンのバランスを整える|
漢方療法
漢方療法は、身体全体のバランスを整えながら、更年期症状の改善を目指す方法です。
更年期には、ホルモン分泌量の急激な変化によって、自律神経の乱れや血行不良が起こりやすくなります。更年期にみられるのぼせや冷え、不眠、気分の落ち込みなどの症状は、これが原因です*1 *2 *3。漢方療法では漢方薬を使用し、このような体質の変化にはたらきかけることで症状の緩和を目指します。
代表的な漢方薬として加味逍遙散(かみしょうようさん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがあり、一人ひとりの症状や体質に応じて処方されます*1。
漢方薬は効果があらわれるまでに、数週間~数か月かかることもあると言われています。自己判断で中止したり量を調節したりはせず、医師の指示に従って内服しましょう。
ご自身の体質に合った漢方薬を服用することで、更年期のつらい不調をやわらげ、快適な日常生活を維持しやすくなりますよ。
つらい症状をやわらげる|
対症療法
更年期症状に対する対症療法とは、頭痛や肩こりなど、更年期にみられるさまざまな症状を軽減・緩和することを目的とした治療法です。
更年期には、ホルモンバランスの変化によってほてりや発汗、めまい、関節の痛み、気分の落ち込みなどが起こります。これらの症状が続くと、仕事や家庭生活にも支障をきたすことがあるため、これらの症状に心当たりのある方は早めに医療機関で相談してみましょう。
症状に応じた治療法として、以下のような薬物療法があります。
- 鎮痛剤
- 睡眠薬
- 抗不安薬・抗うつ薬
- ビタミン剤*1
症状や体質に合わせてお薬を組み合わせることで、心身の不調をコントロールしやすくなるでしょう。
また、軽い運動やバランスのとれた食事、ストレス管理などといった生活習慣の改善も、更年期症状の軽減に役立ちます。更年期の不快な症状を和らげるためには、ご自身の体調や生活スタイルに合わせた対策を取り入れることが大切です。
医師の指示のもと、自分に合った治療法を選ぶことで、毎日の生活をより快適に過ごせるようになるでしょう。

執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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