ピルでPMSや生理の不調をコントロールしてみよう

毎月の生理痛やPMS(生理前のイライラ、頭痛、むくみ、乳房の張り、倦怠感など)に悩まされていませんか?PMSや生理の症状が重いと、仕事との両立に難しさを感じたり、パートナーや家庭との関係に悩むことも珍しくないです。

そんなつらい症状は、ピルでコントロールできるかもしれません。今回の記事では、低容量ピルに関する基礎知識やメリット・デメリット、および自分で体調を管理することの大切さについてご紹介しています。

低容量ピルって何?

低用量ピルは、女性の体内ホルモンバランスを調整し、排卵を抑制することで避妊効果を得る薬です。女性ホルモンのバランスを整えることで、PMS等の生理に伴う不調や生理不順の改善にも使用されます。

ピルはどこで買えるの?

低用量ピルを購入する方法は、現在2種類あります。

  • 医療機関を受診する
  • オンライン診療を受ける

日本では、現時点では薬局で購入することはできません。低用量ピルを服用したいと考えている方はいづれかの方法で購入しましょう。

月経困難症(生理時に強い痛みや不快な症状が現れる病的な状態)や子宮内膜症のように保険適応の場合は、1シートあたり800~1000円程度で購入できます。ただし、避妊目的や生理日の移動、PMSのみの場合などは、保険適用にはなりません。自費の場合は1シートあたり2,000~3,000円前後が相場です。医療機関、ピルの種類によっても支払金額は異なります。事前に確認したい場合は、医療機関にあらかじめ問い合わせてみましょう。

ピルの飲み方

低用量ピルの多くが1シートに1ヶ月分の錠剤を含んでいます。毎日1錠ご自身が決めた時間に飲みます。毎日の習慣と一緒のタイミングに飲むことで、飲み忘れを防止し、不正出血(生理時以外の出血)が起こりにくくなります。

ピルのメリット

ピルには女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンが主な成分として配合されており、ホルモンバランスを整える働きがあります。そのため、女性ホルモンの乱高下によるトラブルの改善が期待できます。

月経困難症やPMSを緩和する

ピルによって女性ホルモンのバランスをコントロールすると、月経困難症やPMSなどの症状を緩和できます。
月経困難症とは月経期間中に月経にともなっておこる病的な状態をいい、生理痛だけでなく、腰痛、頭痛、不安感情、めまい、吐き気、無気力、うつ感など身体と心の様々な症状を引き起こします。

婦人科疾患の予防

低容量ピルによって排卵を抑制することで、子宮内膜症や卵巣癌、子宮体癌、大腸がんなどの疾患の発症リスクを低減させることが期待できます。

肌荒れ・ニキビ改善

女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されていますが、ピルによって男性ホルモンの分泌を抑制すると、ニキビや吹き出物といったお肌のトラブルを軽減できます。

避妊効果

低用量ピルは、正しく服用すれば99%以上の高い確率で妊娠を防ぐことができます。避妊効果が高いことから、確実な避妊方法として、世界中で広く利用されています。ただし、性感染症の予防にはならないため、ご注意ください。

ピルのデメリット

低用量ピルは比較的安全に服用できる医薬品ではありますが、副作用もあります。ピルの服用にともなうデメリットとしては、以下のような例が挙げられます。

吐き気や頭痛

ピルの服用を開始してしばらくの間、吐き気や頭痛などの症状が見られる場合がありますが、2~3ヶ月服用を続けるうちに消失するケースがほとんどです。また、夕食後や寝る前に服用した場合は、夜寝ている間に副作用のピークが過ぎてしまうため、吐き気、頭痛といった副作用が出にくいとされています。

血栓症

低用量ピルの副作用の中でも最も重大なものの一つです。静脈血栓症とは、静脈内に血液が固まって塞がる病気で、重症化すると肺塞栓症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす可能性があります。しかし、低用量ピルによる静脈血栓症の発生率は非常に低く、年間1万人当たり3~9人程度と報告されています。特に持病がない健康な方は、正しく低用量ピルを服用していれば、血栓症の心配はほぼありません。低用量ピル服用時での血栓症のリスクは、妊娠中・出産後よりも低いとされています。血栓症は脱水症状のため、夏場などで大量に汗をかいたり冬場の乾燥、お酒の飲み過ぎには注意しましょう。