更年期の不眠はなぜ?ぐっすり眠るための対策
公開日:2025年8月21日

更年期が近づくと、寝つきにくくなったり、夜中に何度も目が覚めたりと、睡眠の質に変化を感じる方が増えてきます。その背景には、女性ホルモンの分泌低下によるホルモンバランスの乱れがあり、自律神経の不調や心の不安定さとも深く関係しています。
ぐっすり眠れない状態が続くと疲れがとれにくくなり、気分が落ち込んだり集中力が低下したりと、日常生活にも影響を及ぼしかねません。
本記事では、更年期に起こりやすい不眠の原因や、快適な睡眠をとるための対処法をわかりやすくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
更年期世代の女性が不眠に悩む原因
更年期の女性が睡眠に関する悩みを抱えやすくなるのは、加齢にともなうホルモンバランスの変化が大きく影響しているからです。なかでも、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減ってくると、自律神経が乱れやすくなり、心や体のリズムが崩れて、不眠につながりやすくなります*1。
不眠といっても症状はさまざまで、具体的には以下のような状態がみられることがあります*1 *2。
- 布団に入ってもなかなか寝付けない
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝すっきり起きられない
- 寝ても疲れがとれない
寝ている間にホットフラッシュが起きると、ほてりや寝汗が原因で目覚めてしまうことも。さらに、原因のはっきりしない不安やイライラなどの心の不調が重なると、さらに眠りが浅くなる可能性があります。
このように更年期の不眠は、体調の変化だけでなく、精神的なバランスとも深く結びついています。つらい睡眠トラブルは我慢せず、少しずつ対策を始めてみましょう。
眠れない時どうする?
快眠のための生活習慣
更年期の不眠をやわらげるには、生活習慣の見直しが効果的です。
ホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れやすくなると、ちょっとした生活リズムの乱れでも眠りに影響が出やすくなります。睡眠に関する悩みを抱えている方は、まずは毎日の過ごし方を振り返ってみましょう。
体内時計を整えるには、できるだけ毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びることが大切です。夕方以降はスマ-トフォンやタブレットなどの強い光を避け、心を落ち着かせる時間をつくると良いでしょう。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、就寝前はカフェインやアルコールの摂取を控えるようにしましょう。さらに、軽いストレッチや深呼吸を取り入れることで、よりスムーズに寝付けるようになるでしょう。
このように、小さな習慣の積み重ねが、快適な睡眠への第一歩となります。無理のない範囲で、少しずつ生活習慣を整えていきましょう。
生活習慣を見直しても不眠が改善されない場合は、医療機関を受診し、必要な治療を受けることも検討してください。
【漢方・サプリ・薬】つらい不眠の対策
ぐっすり眠れずつらいと感じる場合は、漢方やサプリメント、必要に応じて医師の処方薬を取り入れるのもひとつの方法です。更年期の不眠は、生活習慣の改善だけではなかなか解消しないこともあり、体の内側からのアプローチが必要なこともあります。
漢方薬では加味逍遙散(かみしょうようさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが、不安感やイライラ、ほてりなどの症状と関連した不眠に対して使われることがあります*1 *2。
また、サプリメントでは、リラックスを促すGABA、睡眠ホルモン(メラトニン)の材料となるトリプトファン、女性ホルモンに似たはたらきをもつエクオールなどが注目されています。
症状が重い場合には、医師と相談のうえで睡眠を促す薬を使用することも選択肢のひとつになります。眠れないつらさはひとりで抱え込まず、自分に合った方法で無理なくケアを始めましょう。

執筆者
立岩 奈緒
看護師・医療コラムライター
看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。
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