更年期におすすめ【自律神経を整える入浴法】

公開日:2025年11月10日

40代後半から50代にかけて、多くの女性が更年期特有のほてりや冷え、イライラといった不調に悩まされます。その多くは、女性ホルモンの変動による自律神経の乱れが関係していると言われています。

こうした更年期の不調を解決するヒントは、身近な「お風呂」にあります。本記事では、更年期を少しでも楽に過ごすための入浴法をご紹介します。

お風呂の温度や入り方、リラックスを高めるアイテムの活用方法まで、今日から取り入れやすいポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

疲れが取れる・精神安定・冷え解消|
更年期症状への効果

入浴には、更年期特有の心身の不調をやわらげる効果が期待できます。湯船に浸かることで得られるメリットは、想像以上に大きいものです。

温かいお湯に浸かると血流が促され、筋肉のこわばりや肩こり・腰痛がやわらぎます。冷えの改善にもつながり、更年期に起こりやすい血流の不安定さをサポートしてくれるでしょう*1

また、入浴は自律神経のバランスを整える働きがあります。副交感神経が優位になり、心身をリラックスさせることで、日中の緊張がやわらぎ、イライラや不安感も落ち着きやすくなります。毎晩のお風呂習慣は、気持ちを安定させることにつながります。

さらに、入浴後に自然な眠気が訪れるため、寝つきが良くなり睡眠の質も向上します。眠りの悩みを抱えやすい更年期世代の女性にとって、入浴は心地よい眠りへの第一歩になるでしょう。

自律神経を整える「お風呂の入り方」

自律神経を整えるには、お風呂の温度と入浴時間を意識することが大切です。

熱すぎるお湯や長風呂は体に負担をかけるため、38〜40度くらいのぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かるのがよいでしょう*2。副交感神経が働きやすくなり、自然とリラックスできます。

全身浴でも、みぞおちまでの半身浴でも構いません。体調に合わせて無理なく楽しんでください。

入浴のタイミングは就寝の1〜2時間前が理想的。体温がゆるやかに下がるころ布団に入ると、眠りにつきやすくなります*3

また、入浴前後にはコップ1杯の水を飲むなど、水分補給も忘れずに。 ちょっとした工夫で、毎日のバスタイムがぐっと心地よいものになります。

リラックスできるバスタイム
【入浴剤・アロマ・照明】

入浴の効果をさらに高めるには、リラックスできる環境づくりも重要です。 入浴剤や香り、照明といった要素を工夫することで、いつものお風呂が癒しの空間に変わるかもしれません。

入浴剤

入浴剤を取り入れると、リラックス感や体を温める効果がぐっと高まります。 たとえば炭酸ガス入りの入浴剤は血流を促し、体の芯までじんわり温めてくれるので、寒い季節や冷えやすい方にぴったりです。

バスソルトやエプソムソルトを加えれば、汗をかきやすくなり、デトックス効果も期待できます。 疲労感が強いときや筋肉のこわばりが気になるときにも役立ちますよ。

さらに、保湿成分入りの入浴剤を選べば、乾燥しやすい肌をしっとり守ることができます。 その日の体調や気分に合わせて選ぶことで、入浴時間がより心地よいものになるでしょう。

アロマ

アロマオイルの香りは、心と体をゆるめ、より深いリラックスへと導いてくれます。 天然の精油を吸い込むと、脳が落ち着きを取り戻し、自律神経のバランスも整いやすくなると言われています。

なかでもラベンダーやカモミールは鎮静作用があり、不安やイライラをやわらげてくれる香りです。一方、ベルガモットやオレンジスイートは気持ちを明るくし、前向きな気分へと切り替える助けになります。

使い方はシンプルで、洗面器にお湯をはり、精油を1〜2滴垂らすだけ。香りが湯気にのって浴室全体に広がります。湯船に入れたい場合は、肌への刺激を防ぐためキャリアオイル(植物油)で薄めてから使うようにしましょう。

やさしい香りに包まれながら入浴すれば、心も体もほっとほどけるような時間を過ごせるでしょう。

照明

明るすぎる照明は交感神経を刺激してしまうため、暗めの照明や間接照明を取り入れると落ち着いた雰囲気になります。

防水タイプのキャンドルやLEDライトを浴室に置くと、柔らかい光が空間を包み、心が安らぎます。

スマートフォンの光も避け、静かに目を閉じて過ごすのもよいでしょう。

このように、入浴剤や香り、照明を工夫することで、お風呂の時間がより豊かなものになります。 自分にとって心地よいと感じる方法を見つけ、毎日のセルフケアとして楽しんでみてください。

立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。

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