何歳から始まるの?更年期のキホン

すべての女性が経験する「更年期」という期間。
まだ更年期に入っていない人は、いつ始まるのか不安に思っているかもしれません。そして更年期真っ最中の人は、一体いつ終わるのか教えてほしいと思っているでしょう。

この記事では、知っているようで知らない更年期のキホンについて解説します。更年期の定義を知って、対策につなげましょう。

更年期を決めるのは「閉経」

よく「何歳から何歳が更年期に当てはまるのですか?」という質問を受けることがあります。実は更年期という期間を決めるのは、年齢ではありません。「閉経」が更年期の基準となっているのです。

更年期を決定づける閉経とは、卵巣の機能が低下し、月経が永久に停止した状態をいいます。永久というのは判断しづらいため、実際には、月経が来ない状態が1年以上続いた時に、最後の月経にさかのぼって閉経と判断されます。つまり、月経がない状態が1年間続き、振り返ってみて1年前が閉経だったとわかります。

そして更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間の期間を指します。

例えば、最後の月経が52歳だった人は、その前後5年間の47〜57歳が更年期にあたるということなのです。

30代?40代から?更年期のピークはいつ?

最近、30代でも更年期になるといったような話題が出ることがあります。

40代前半の早い時期に閉経する人もいれば、50代後半になって閉経する人もいます*1。先ほどお伝えしたように、閉経した年齢によって更年期の期間は決まるため、40代前半で閉経した場合は30代の終わりから更年期に入っている人もいることになります。

10年間という期間がある更年期ですが、一般的には「閉経の前後2年間」がつらい症状のピークにあたると言われています。

更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が乱高下しながら低下していく影響で、ホルモン分泌の指令を出している脳が混乱してしまいます。その影響で自律神経が乱れ、さまざまな不調である更年期症状が起こります。このエストロゲンの不安定な状態に体が慣れていない閉経の前後2年間ほどの時期が、更年期のピークにあたるのです。

更年期が早い人・遅い人の目安

それでは更年期が早い人、遅い人の目安はどのように捉えればよいのでしょうか。

更年期を左右する閉経年齢の日本人の中央値は 52歳*2、また日本産科婦人科学会の調査によると90%の人が閉経する年齢が56.3歳*1と言われています。

そのため、中央値である52歳より早い年齢で閉経となり、40代半ばに更年期を迎える場合には、更年期が早いと言えそうです。そして、多くの人が閉経する56歳より遅く閉経となり、50代後半以降で更年期に入る場合には更年期が遅いと言えるかもしれません。

しかし、閉経する年齢は個人差が大きいものですし、閉経したかどうかは後になって分かるものです。さらに自分がいつ閉経するか予測はできません。

40歳前後から更年期に入る可能性があることを知ることが、更年期対策の第一歩です。ぜひ自分の体の変化に意識を向けるようにしてみてください。

参考文献

  1. 玉田・岩崎 (1995). 本邦女性の閉経年齢. 日本産科婦人科学会雑誌, 47(9), 947-952.
  2. Yasui T, Hayashi K, Mizunuma H, et al. Factors associated with premature ovarian failure, early menopause and earlier onset of menopause in Japanese women. Maturitas 2012; 72:249-255.
東 衣里

執筆者

東 衣里

助産師・看護師

助産師として大学病院産科病棟・外来にて勤務。
その後、大手百貨店で妊娠・出産・育児を中心とした相談業務を担当。
また、都内複数の区からの委託を受け、こんにちは赤ちゃん訪問(出産後の新生児訪問)にも従事。 現在はTRULYにて、チャット相談業務や記事執筆などを担当。
地方へ移住して、リモートワークという形で仕事とプライベートを両立。
自身も、働く女性・一児の母として、困っている女性の気持ちに寄り添った、実現可能なアドバイスを心がけている。