どうして貧血になるの?貧血の原因や予防についてお話します。

どうして貧血になるのか、今日はその原因や予防策についてお話をしていきます。
貧血は「体内の赤血球量の減少、それによる酸素運搬容量の減少」と定義されています。具体的には赤血球に含まれる酸素を運ぶ役割のヘモグロビン量が低下した状態を指します。
貧血の原因
貧血と聞くと血が足りないと思う方が多いと思いますが正しくは血液の中のヘモグロビンが減っていることが原因です。
ヘモグロビンは酸素とくっつき、全身へ酸素を送り届ける役割を持っています。そのためヘモグロビンが減少すると、全身が酸素不足で「酸欠状態」となります。
特に女性は、生理や妊娠、出産、授乳などのライフステージで貧血になるリスクが高くなります。月経時の出血量が多い場合や子宮筋腫、栄養不足なども貧血の原因として挙げられます。
女性に多い鉄欠乏性貧血とは
鉄欠乏性貧血は、名前の通り、鉄分が不足することによって起こります。鉄は赤血球内のヘモグロビンの生成に必要不可欠な栄養素であり、これが不足するとヘモグロビンが十分に作られなくなります。
女性に多い鉄欠乏性貧血は、生理による出血や偏食、ダイエットが主な原因です。また、スポーツをしている女性も大量の汗をかくことで鉄分を失いやすく、貧血になるリスクが高くなります。
その疲れやすさは、貧血が原因かも?
代表的な症状は、動悸、めまい、立ちくらみ、息切れといったものですが、しかし、これらの身体的症状に加えて、貧血はメンタルにも影響を及ぼします。鉄分は、やる気や集中力に関係する脳の伝達物質「ドーパミン」の生成にも重要な役割を果たしています。そのため、鉄分が不足すると、慢性的な疲れや意欲の低下、不安感、憂鬱感が生じやすくなります。
妊娠中、産後の鉄分の不足は
赤ちゃんやお母さんにも影響?
妊娠と出産では鉄分が赤ちゃんへと移行し、お母さんの体は鉄分不足に陥ります。
妊娠中は赤ちゃんの発育に必要な鉄分が母体から移行するため、通常の2倍の鉄分が必要になります。不足すると、早産や低出生体重児のリスクが高まり、また母体のめまいや疲れやすさ、出産後の回復にも影響を及ぼすことがあります。
産後も、鉄分不足が原因で体力回復が遅れるだけでなく、産後うつのリスクを高める可能性があります。そのため、妊娠中や産後は鉄分の摂取を意識し、バランスの取れた食事とサプリメントの活用でしっかり補いましょう。
貧血は、どのように予防したら
よいでしょうか。
ポイントを3つご紹介します。
- 一日三食摂取し、鉄分を多く含む食品を積極的に摂りましょう。
食欲が減少したり、ダイエットをしていると必要な栄養素が不足しがちです。 - 睡眠時間を十分とり、規則正しい生活を心がけましょう。
睡眠はホルモンバランスや血液循環、栄養吸収をサポートします。 - 適度な運動をしましょう。
運動には内臓機能を回復させて鉄分の吸収を高め、赤血球の生産を活発にする作用があります。 - 月経関連で痛みや出血が多い場合は早めに婦人科を受診することも大切です。
鉄分の多い食品
食品中に含まれる鉄には種類があり「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」にわかれています。
ヘム鉄(動物性食品):吸収率が高い鉄分です。レバー、牛肉、アサリ、かつお、卵、鶏肉などが含まれます。
非ヘム鉄(植物性食品):吸収率は低いものの、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂ると吸収率が上がります。小松菜、ほうれん草、納豆、豆腐などが含まれます。
バランスの良い食事を用意するのが難しい場合は、サプリメントで鉄分を補う方法もあります。鉄分の吸収を阻害するカフェインの摂取は食後1時間は控えましょう。
そして加工食品は便利ですが、貧血の原因になることがあります。加工食品には鉄分の吸収を妨げる成分(リン酸)が含まれていることがあるため、頻繁に食べることは避けるようにしましょう。
運動時の注意点
激しい運動をすると、汗と一緒に鉄分が失われやすくなります。また、筋肉の増加に伴い、必要な鉄分も増えるため、鉄分を補給することが重要です。ランニングやバスケットボールなどの運動では、足裏を強く踏みしめることによって赤血球が壊れることもありますので、運動後には鉄分をしっかり補いましょう。
いかがでしたでしょうか。
貧血は、女性では、「隠れ貧血」も含めると大変多く認められる疾患のひとつです。
多くの方が自覚症状が無いため放置しているのが現状ですが
生理の出血量が多い・期間が長い、不正出血の頻度が多い方や、貧血のような症状がある方は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
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