更年期障害は病院に行くべき?何科を受診?

顔のほてりや汗、肩こり、気分の浮き沈みなど、更年期障害の症状でお悩みではありませんか。

更年期障害の症状は、体だけでなく心にもさまざまな形であらわれるため、「どの診療科に行けばいいんだろう?」と迷うこともありますよね。

基本的には婦人科がおすすめですが、症状によっては内科や心療内科が合う場合もあります。更年期障害に特化した更年期外来や女性外来などもあるので、ご自身の体調や症状に合わせて選びましょう。

この記事では、受診の目安やおすすめの診療科について詳しく解説していきます。
「もしかして更年期障害かも?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

更年期女性が病院に行くべきタイミング

「更年期の症状がつらい」と感じたら、早めに医療機関で相談してみましょう。

更年期には、ほてりや発汗、動悸など*1 *2、さまざまな症状がみられることがあります。
なかでも腰痛や肩こり、汗をかきやすいといった体の不調は不快なだけでなく、仕事中の注意力や集中力、家事の効率などにも影響します。そのため、気になる症状がある場合は、早めに受診するのがおすすめです。

また、イライラや気分の落ち込み、不安感といった心の症状は、家族や職場の人との関係に影響が出てしまうことも。病院やクリニックでカウンセリングを受けるだけでも、症状が軽くなる場合がありますよ。

「もしかして更年期かも?」と思ったら、それが受診のタイミングです。
我慢せずに病院で相談してみましょう。

セルフチェックも目安に

「このくらいの症状で病院に行ってもいいのかな?」と迷っていませんか?
たとえ症状が軽くても、早めに受診して経過を診てもらう、または早期に治療を開始することはとても大切です。

それでも受診のタイミングに悩む場合は、まずはセルフチェックを試してみましょう。
ご自宅で簡単にできる方法として「簡略更年期指数(SMI)*3」というチェック方法があります。

チェック項目は以下の10個です。それぞれの項目について「強・中・弱・無」の4段階で評価し、合計点数を出します。

症状
1. 顔がほてる 10 6 3 0
2. 汗をかきやすい 10 6 3 0
3. 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
4. 息切れ、動悸がする 12 8 4 0
5. 寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0
6. 怒りやすく、すぐイライラする 12 8 4 0
7. くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0
8. 頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
9. 疲れやすい 7 4 2 0
10. 肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

合計点数が51点以上の場合は、医療機関で診察やカウンセリングを受けてみましょう。症状の程度によっては、専門的な治療が必要な場合もあります。

更年期外来・婦人科どっち?
内科や心療内科でもよい?

更年期障害は心と体にさまざまな症状が出るため、何科に行けばいいのか迷いますよね。

おすすめは、婦人科です*2
婦人科では、ホルモンバランスの乱れによる症状を総合的に診たうえで、ホルモン補充療法や漢方薬など*1 *2、一人ひとりに合った治療を提案してくれますよ。
「身体の不調が続いているけれど、更年期障害の症状かどうか分からない。」とお悩みの方は、まず婦人科で相談してみるとよいでしょう。

更年期の症状は人それぞれで、個人差があります。
「もっとじっくり相談したいな」と思ったら、更年期外来や女性外来がおすすめです。更年期に特化した診療科なので、より専門的な診察と治療を受けられるでしょう。

それでも受診先に迷う場合は、症状によって診療科を選ぶのもよいでしょう。
例えば、動悸やめまいなどの症状が強い場合は内科を、気分の落ち込みや不眠が続いている場合は心療内科を受診してみましょう。

参考文献

  1. 公益財団法人 日本産科婦人科学会
  2. 働く女性の心とからだの応援サイト
  3. 小山ら 更年期婦人における漢方治療:簡略化した更年期指数による評価(1992:9:30-34 産婦人科漢方研究のあゆみ)
立岩 奈緒

執筆者

立岩 奈緒

看護師・医療コラムライター

看護師として、9年間病院で勤務。
血液内科・神経内科・整形外科・婦人科外科・泌尿器科を経験。
現在は3児の母として家事・育児に奮闘しながら、Webライターとして医療・健康に関するコラムの執筆をしています。
読者の皆さまが抱える悩みや不安に寄り添い、少しでもお役に立てる情報をお届けできれば幸いです。