屋外防犯カメラとは?
室内用との違いや選び方
・メリットも解説

公開日:2025年7月31日

屋外防犯カメラは、住まいや店舗の安全を守る重要なアイテムです。玄関や駐車場など、屋外に設置することで、不審者の侵入を抑止し、トラブル発生時の証拠としても役立ちます。

本記事では、屋内用カメラとの違いから、用途別の選び方、カメラの種類ごとのメリット・デメリット、設置方法のコツまで幅広く解説します。

初めて導入する方にも分かりやすくまとめているので、防犯対策を強化したい方はぜひ参考にしてください。

屋外防犯カメラとは

屋外防犯カメラとは、屋外に設置して人や物の動きを監視・記録するためのカメラで、防犯・安全管理の重要な役割を果たします。かつてはインフラ施設や災害監視など限られた用途で用いられていましたが、近年は高性能かつ低価格なモデルの登場により、家庭の玄関やガレージ、駐車場、店舗出入口など、一般家庭や商業施設にも広く普及しています。

さらに、ネットワークカメラの普及により、遠隔地からスマホやPCで映像確認が可能となり、AI解析による異常検知機能も備わるなど、屋外防犯カメラの役割と必要性は大きく広がっています。

屋外用と室内用の違い

防犯カメラには屋外用と屋内用があり、それぞれ設置場所や用途に応じて求められる機能や性能が異なります。以下に、両者の違いをわかりやすく比較表でまとめました。選ぶ際の参考にしてください。

項目 屋外用カメラ 屋内用カメラ
防水・防塵性能 雨風・ほこりに強く、悪天候でも使用可能 基本的に非対応。室内専用として使用する必要がある
耐候性 高温・低温・風雪などの屋外環境に対応 特に耐候性なし。通常の室温・湿度環境での使用が前提
主な機能 赤外線暗視・LEDライト・動体検知・広角レンズ対応 双方向通話・動体検知・スマホ連携
設置環境 玄関・駐車場・店舗前など、屋外での広範囲監視向き 室内・オフィス・子どもや高齢者、ペットの見守りに適している
サイズ・デザイン 比較的大きめ、堅牢なデザインが選ばれやすい 小型でインテリアになじみやすい、おしゃれなデザインが豊富

屋外に設置する場合は、防水・防塵性能が必須で、風雨や夜間の監視に対応できる暗視機能・LEDライト・動体検知機能が備わったモデルが適しています。

一方、屋内ではプライバシーへの配慮と設置のしやすさが重要です。室内では、防水性は不要で、コンパクトで目立たず設置できるデザインが人気です。

屋外防犯カメラの用途

近年、玄関先での不審者侵入や、車・バイクの盗難被害が相次いでおり、屋外防犯カメラの設置需要が高まっています。防犯カメラを玄関に設置するだけでも、不審者の侵入を抑止し、家族の安全を守る効果があります。

また、駐車場やガレージでは、車やバイクへのいたずら・盗難を監視し、トラブル時の証拠を確保する用途にも最適です。有線式なら通信が安定し、ソーラー式なら電源不要のメリットがあるなど、用途や使用環境に応じて選ぶことができます。

防犯カメラの種類と特徴

防犯カメラを選ぶ際には、「どこに設置するか」だけでなく、「どのタイプを選ぶか」も非常に重要です。有線とワイヤレス、ソーラーパネル式と電源式、常時録画式と動体検知式など、それぞれの方式には明確な特徴とメリット・デメリットを整理しました。

【有線カメラとワイヤレスネットワークカメラの比較】

種類 特徴 メリット デメリット
有線カメラ ケーブルで録画機と接続して使用。通信が安定。 ・録画が安定
・高画質
・高フレームレート対応
・工事が必要
・ケーブル断線のリスクがある
ワイヤレスネットワークカメラ 無線で通信。設置が手軽で見た目もすっきり。 ・設置が簡単
・工事コスト削減
・電波が不安定になることがある
・電波妨害や不正アクセスのリスクあり

【ソーラーパネル式カメラと電源コンセント式カメラの比較】

種類 特徴 メリット デメリット
ソーラーパネル式カメラ 太陽光発電で動作。電源不要で設置自由度が高い。 ・電源不要
・停電に強い
・電気代不要
・天候に左右される
・メンテナンスが必要
・盗難リスクあり
電源コンセント式カメラ 電源から給電して動作。安定性に優れるが配線が必要。 ・安定稼働しやすい
・設置後の発電状況に左右されにくい
・電源確保が必要
・設置場所が限られる
・停電時に動作しない場合がある

【常時録画式と動体検知式カメラの比較】

種類 特徴 メリット デメリット
常時録画式 24時間常に録画を続ける。録り逃しを防ぐ。 ・証拠映像として信頼性が高い
・録画ミスのリスクが少ない
・容量消費が大きい
・電力消費が多い
動体検知式 動きを検知した時のみ録画する省エネ型。 ・容量節約
・効率的に映像確認できる
・前後の映像が撮影不可
・反応しないリスクがある

工事不要タイプのメリット・デメリット

工事不要タイプの防犯カメラは、賃貸住宅や短期間の使用であれば、非常に便利な防犯カメラです。無線LANやSIM通信で接続できるタイプは、壁に穴を開けたり配線を通したりする必要がないため、賃貸物件でも原状回復を気にせず導入できます。また、一時的なイベントや工事現場など、期間限定の設置にも適しています。

しかし一方で、通信の安定性には注意が必要です。Wi-Fiは家電や建物の構造の影響で電波干渉が起きやすく、録画が不安定になることがあります。加えて、電波妨害や不正アクセスのリスクもあるため、設置時には通信環境やセキュリティ対策をしっかり確認する必要があります。

屋外防犯カメラの選び方とは

屋外防犯カメラを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 防水・防塵性能
    IP65以上が基本。気候や設置環境に応じてIP66~67も検討。
  • 画質と視野角
    フルHDは玄関に、4Kは駐車場など広範囲に最適。
  • 録画方式
    クラウド保存は遠隔確認が可能、SDカードはコストを抑えられる。
  • バッテリー稼働時間
    約1年持つモデルもあり、工事不要で設置が簡単。

初心者は「保存容量」や「バッテリー容量」を見落としがちなので注意が必要です。

防水・防塵性能で選ぶ

屋外に防犯カメラを設置する場合、防塵・防水性能は必須条件です。防水性能は「IP〇〇」という規格で示され、たとえば一般住宅ではIP65以上が推奨されます。工場や飲食店などオイルミストが発生する場所ではIP66以上、海沿いや台風の影響を受けやすい地域ではIP67以上が望ましいとされています。設置場所の気候や環境に応じて適切な防水等級を選ぶことで、長期的にカメラを稼働させ続けることができます。

画質と視野角で選ぶ

屋外防犯カメラを選ぶ際には、解像度の違いと設置環境に適した視野角を把握しておくのが重要です。たとえば、フルHD(1920×1080)は小規模なエントランスなどに最適で、人物の出入りを確認するには十分です。2.7K(2688×1520)はスーパーマーケットのような中規模空間に適し、広範囲の状況把握が可能です。一方、4K(3840×2160)は広い駐車場や屋外の敷地全体を詳細に記録するのに最適で、ナンバープレートや顔など細部まで鮮明に映せます。

夜間も監視する必要がある場合は、ナイトビジョン性能をもった防犯カメラがおすすめです。多くの2Kカメラは赤外線による白黒撮影ですが、4Kカメラの一部はカラー暗視に対応し、夜間でも詳細を識別可能です。

録画方式と保存容量

屋外防犯カメラの映像を保存する方法には、クラウド保存とSDカード保存があります。それぞれコスト・運用・安全性に違いがあり、設置環境や管理体制に応じて選びましょう。

項目 クラウド保存 SDカード保存
保存先 オンラインストレージ カメラ本体に挿入されたSDカード
容量の上限 実質無制限(契約プランに依存) カード容量に依存(物理的制限あり)
ランニングコスト 月額費用が発生(相場:月2,000~3,000円) なし(SDカード購入費用のみ)
メンテナンス 不要(自動保存) 定期的に取り出し・確認が必要
セキュリティ オンライン上で安全に保存、盗難リスクが低い 本体ごと盗難・破損のリスクあり
遠隔閲覧 PC・スマホから24時間いつでも確認可能 カメラの近くでSDカードを直接取り出す必要あり

バッテリー稼働時間で選ぶ

屋外用防犯カメラのバッテリー駆動タイプは、設置が簡単で工事不要な点が魅力です。

1回の満充電で約1年間稼働するなど、長期間の使用も可能なカメラもあります。稼働時間を延ばすには、動体検知のみで録画したり、録画時間を短く設定したりするなど、録画頻度の調整が必要です。安定した録画を求める場合は、常時電源供給タイプを選び、有線での電源確保を検討しましょう。

設置場所の選び方

防犯カメラの効果を最大化するには、目的に応じた設置場所と向きを選ぶことが重要です。

以下の観点から事前に検討しましょう。

  • 死角が生まれやすい場所はないか
  • 来訪者・車両の動線を把握できる位置か
  • 近隣住宅や公道への配慮は取れているか
  • 映像が敷地外を不必要に映していないか

設置後のトラブルを避けるため、設置環境と撮影範囲の事前確認を徹底しましょう。

死角をなくす配置のコツ

戸建て住宅では、出入口や敷地が複数あるため、1台のカメラでは全体をカバーするのが難しく、死角が生まれやすくなります。そのため、複数のカメラを建物の四隅、玄関、勝手口、庭、駐車場などに分散して配置することで、広範囲を監視できます。特に建物の四隅に設置すれば、1台で複数方向をカバーでき、不審者の動きを捉えやすくなります。庭や植栽エリアは死角ができやすいため、視野を確保した設置を意識しましょう。センサーライトと併用することで、夜間の視認性と録画精度も向上します。

防犯効果を高める設置位置

防犯カメラは設置場所によって抑止力が大きく異なります。

玄関は来訪者や配達員などの動きを記録でき、勝手口は死角になりやすく鍵も脆弱なため設置をお勧めします。駐車場は車両盗難やいたずらの対策として有効で、カメラの存在自体が抑止力となります。

また、建物の外壁にカメラを取り付けられない場合や、監視したい場所を壁からではカバーできない場合には、専用のポールを建ててカメラを設置する方法もあります。

高さや位置を自由に調整できるため、死角を減らすために有効な手段と言えます。

プライバシーに配慮した向き調整

防犯カメラを設置する際には、近隣住宅や公道などへの配慮を怠ると、プライバシー侵害として違法と見なされる可能性があります。特にカメラの向きが他人の家の窓や私有地、生活空間を映してしまう場合は注意が必要です。法的トラブルを避けるためには、映像が自宅敷地内に収まるよう、撮影角度を事前に調整し、実際に映像を確認することが重要です。

また、カメラの設置高さを適切に設定すれば、隣家への映り込みを避けられます。設置後に近隣住民とトラブルになるケースもあるため、必要であれば説明や同意を得ておくと良いでしょう。防犯とプライバシーの両立が、信頼される設置運用の基本です。

防犯カメラの設置方法

防犯カメラは自分で設置することも可能ですが、事前に用途や設置場所をあらかじめ確認しておきましょう。以下に、防犯カメラ設置に必要な準備物と簡単な手順をまとめてみました。

工事不要の場合の防犯カメラの設置方法

工事不要の防犯カメラは、配線工事を行わずに自分で簡単に取り付けできるのが特長です。バッテリー式は充電後、取り付け用ブラケットを使って設置し、Wi-Fi接続すればすぐに使用することができます。ソーラーパネル式は、南向きで日当たりの良い位置に設置することで、長期間バッテリー切れの心配もなく稼働させることができます。電源コンセント式は、近くに防水コンセントが必要で、コードはモールやクリップで固定し、風や雨に耐える設置が必要です。

いずれの方式も、事前に視野範囲やWi-Fi接続状況を確認し、カメラ角度を微調整して死角をなくすことが設置の際に重要なポイントとなります。

工事が必要な場合の防犯カメラの設置方法

屋外や店舗・事務所などに防犯カメラを導入する際は、設置業者に依頼するのが一般的です。

設置場所の選定から高所作業、特殊な壁材への対応まで任せられるので、施工ミスや配線トラブルの心配が少なくなります。一方、自分で有線タイプのカメラを設置する場合は、PF管やジョイントボックス、自己融着テープ、防水パテなどを準備し、丁寧な配線と防水処理が必要です。配管を固定する際はサドルを使い、壁面にしっかり固定します。配線を屋内に引き込むには壁に穴を開けるか、エアコンダクトなど既存の導線を活用しましょう。最後に、映像が正常に表示されるか接続テストを行い、問題なければ開けた穴をパテで埋め、屋内側の配線にはモールで保護を施すという作業が必要になります。

よくある質問

防犯カメラは屋外に後付けできますか?

防犯カメラは屋外にも後付けで設置できます。特にワイヤレスタイプやバッテリー内蔵型、防水仕様のカメラであれば、電源や配線工事が不要なため、個人でも比較的簡単に後付けが可能です。

一方、有線タイプを屋外に設置する場合は、配線の保護や防水処理が必要となり、DIYに慣れていない方にはややハードルが高いため、業者への依頼が推奨されています。

屋外用の防犯カメラはいくらくらいしますか?

屋外用の防犯カメラの価格は、機能や性能によって大きく異なります。

最も安価なモデルでは、3,000円〜5,000円程度で購入でき、最低限の防犯対策としては十分です。ただし、画質の良い高解像度モデルや、ワイヤレス通信対応・ソーラーパネル式などの高機能タイプになると、1万円〜2万円台が一般的です。

また、工事不要で手軽に導入できるレンタル型の防犯カメラもあり、こちらは月額1万円前後で利用できるサービスもあり、初期費用を抑えたい方にお勧めです。

J:COMは手頃な価格で
ご家庭の防犯対策を実現

屋外用防犯カメラには、電源の取り方や設置方法、画質や録画方式などさまざまな選択肢があり、ご家庭の環境や目的に合わせて選ぶのが重要です。とはいえ、「設置の手間や費用が心配」「操作に自信がない」という方には、機器の選定から設置・サポートまで対応してくれるサービスを活用するのをおすすめします。

J:COMでは、設置から操作までがシンプルで、はじめての方でも安心して導入できる防犯カメラパックをご用意しています。

【主な特徴】

  • フルHD対応(200万画素)で鮮明な映像を記録
  • スマホからライブ映像や録画の確認が可能
  • 動体検知ライト・暗視モード・双方向音声など多機能搭載
  • PoE給電対応で電源工事の手間を軽減
  • IP56相当の防水・防塵性能で屋外でも安心

高機能ながら価格は非常に手頃で、防犯初心者でも導入しやすい構成になっており、長く安心して使える家庭向けモデルです。

商品詳細

モデル名 屋外用ネットワークカメラ01(UCJ01A)
撮影画角 水平118度、垂直70度、対角146度
解像度 200万画素 最大1920×1080(フルHD)※1
動画圧縮方法 H.264
動体検知/検出範囲 PIRセンサー(人感センサー)/最大 5m
通信方式 有線LAN:PoE・IEEE802.3af
無線LAN:2.4GHz・IEEE802.11 b/n/g 準拠
電源 PoE(クラス3)
防塵防水性能 IP56相当(PoEインジェクターは対象外)
外部メモリ microSD/SDHC/SDXCカード(最大256GB)
提供アプリ J:COM HOMEアプリ(無償提供)
スマホ推奨スペック Android14.0以上、iOS 15.0以上
外形寸法/重量(約) W67×H104×D106mm(アンテナ、PoEケーブル、マウントを除く)
555g(microSD、PoEケーブル、PoEコネクタキャップを含む)
  • フルHDの画質をそのまま視聴するには、フルHD対応のスマートフォンが必要。表示画面の画素数が小さい場合は、自動で縮小され表示。
2台目以降もおトクな価格 料金
1台目 月額 2,480 円(税込2,728円)
2台目以降 月額 980 円 (税込1,078円)
基本工事費(1台あたり) 9,800 円 (税込10,780円)

まとめ

屋外防犯カメラは屋内用とは異なり、防水・防塵や暗視対応といった機能が求められます。設置目的や場所に応じて、画質や電源方式、録画保存方法を選ぶことが必要になります。特に設置位置や向きに注意を払い、プライバシーへの配慮も忘れずに行うことが重要です。

導入にあたっては、手軽なワイヤレス型から、安定性重視の有線型まで選択肢が多くあります。自宅や施設の状況に合った防犯カメラを選び、安全な環境づくりに役立てましょう。

  • 「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。

【税込金額について】

  • 表記の金額は特に記載のある場合を除き税込金額。
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