マンション、アパートのような集合住宅でも、電気の個別契約は可能? 管理会社や大家さんの許可は?
電力自由化のメリットを受けられるのは、戸建に住んでいる人だけではありません。現在、賃貸マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる人でも、自由に電力会社を選ぶことができます。また、切り替える際に、管理会社や大家さんへの許可も不要です。
電力会社を切り替えると聞くと、何やら面倒な手続きが必要になるようにも思えますが、利用者は「検針票」(2016年1月以降のもの)を用意して、申し込むだけ。現在の電力会社との解約手続きなどはすべて切り替え先の会社が代行します。
実質の作業は申し込みだけとなり、申し込みに必要な「契約名義」「切替元お客さま番号」「切替元事業者名」「供給地点特定番号」は、すべて検針票に記載されています。なぜ、申し込みだけで簡単に電力会社を切り換えることができるのかというと、既存の電線をそのまま利用するから。そのため、大掛かりな工事や面倒な手続きもなく、簡単に切り換えることができます。また、これまでと同じ送配電線を使用するため、電気の安定性や安全性に変わりはありません。
ただし、以下の2つのケースに該当する場合、個人の意思だけでは、電力会社の切り替えはできませんので注意が必要です。
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(1) マンションやアパートが一括受電契約になっている場合
今回の電力自由化は、一般家庭などにまで、電力の自由化が拡大したものです。実は電力の自由化自体はこれまでも、段階的に行なわれていました。そのため、マンションやアパートによっては、すでにマンション・アパート単位で「地域の電力会社以外の電力会社」と契約しているケースがあります。こうした一括受電の物件では、各家庭で自由に電力会社を選ぶことはできません。
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(2) 大家さんが電気料金を一括徴収している場合
アパートや寮に住んでいる人の場合だと、大家さんが電気料金を徴収しているケースがあります。その場合、電力会社を選ぶことができるのは大家さんだけとなり、電力会社を個人の意思で切り替えることはできません。
室内工事や立ち会いも不要。上手に選んで電気代を節約
電力会社の切り替えにあたって「スマートメーター」への交換が発生する場合、その確認および交換作業は「切り替えた先の送配電事業者」が担当します。室内工事もなく、立ち会いも不要で手続きは非常に簡単でスムーズです。もちろん、退去時に元のメーターに戻す必要もありません。
切り替えに必要となる「スマートメーター」は、デジタル版の電力量計です。従来のアナログ版とは違い、通信機能を備えているため、遠隔で検針可能。また、最短30分単位で使用電力を集計するため、これまで月ごとでしかわからなかった電気の使用量が「スマートメーター」に切り替えることで、時間帯ごとの使用電力の推移を、パソコンやスマートフォンを通じて契約した電力会社のウェブサイトから確認できるようになります(一部有料)。
電気の利用状況によっては、電気代が年間で1万円以上も下がるケースも。賃貸マンションやアパートに住んでいる人も、「電力自由化」では当事者です。上手に電力会社を選んで電気代を節約しましょう!
最終更新:2016/3/18
<関連ページ>
J:COM でんきのしくみ/J:COM
https://www.jcom.co.jp/service/electricity/feature/
<出典>
- 電力会社.net 「マンションも個別契約がお得?」
http://xn--6oq38f3t0c83y.net/questions/deals.php - 新電力比較サイト
http://power-hikaku.info/choice/keitai/chintai.php - 価格.com 「わかりやすい!電力自由化」
http://kakaku.com/energy/articlegroup/?en_articleGroup=1 - 『日経トレンディ2016年3月号』(日経BP社) 「こうすれば安くなる! 得する損する 電力自由化」