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J:COM杯 子ども将棋大会

J:COMでは、小中学生に将棋の楽しさを知ってもらうとともに、将来の棋士を目指す小中学生の登竜門となることを願って2012年から「J:COM杯3月のライオン子ども将棋大会」を開催しています。
当初はJ:COMのサービスエリアのみで開催されていた地区大会でしたが、2019年からは東海地区・中国地区での開催もはじまりました。今後も、本大会を通し、子どもたちのプロ棋士を目指すきっかけづくりをお手伝いしていきます。

主催:J:COM、囲碁・将棋チャンネル / 共催:日本将棋連盟 / 協力:白泉社

第14回大会は、7月21日(月・祝)から10月13日(月・祝)に、北海道・東北・関東・東海・関西・中国・九州で地区大会を開催しました。各地区大会の成績上位者による全国大会を11月8日(土)に東京・将棋会館で開催する予定です。地区大会の結果などは大会公式サイトでご確認ください。

公式サイトはこちら

  • ※「過去の大会記録」「過去の全国大会特別番組」は子ども将棋大会公式サイトに移行しました。
J:COM杯 3月のライオン子ども将棋大会

大会について

本大会は初心者向けの「交流クラス」と、全国大会を目指す「全国クラス」に分かれており、「全国クラス」を勝ち抜いた上位入賞者は将棋会館でおこなわれる全国大会に臨みます。
各地方大会には豪華プロ棋士たちが来場し、トーナメント戦以外にも、プロ棋士指導対局や大盤解説等の催しをお楽しみいただけます。

全国クラス 対局

交流クラス 対局

プロ棋士指導対局

大盤解説

漫画「3月のライオン」
立ち読みコーナー

アプリ「将棋ウォーズ」
体験コーナー

大会に込められた想い

「J:COM杯3月のライオン子ども将棋大会」が生まれたきっかけについてご紹介いたします。

第1回大会表彰式の様子
上段 左から、故米長永世棋聖、J:COM田口
下段 獺ヶ口 笑保人さん(第1回大会優勝)

この大会は、故米長永世棋聖(元日本将棋連盟会長)の一言から生まれました。

ある就位式のパーティで、米長会長(当時、以下同じ)にJ:COMの役員がご挨拶をした際、ゆっくり話がしたいということで、後日、将棋会館に米長会長を訪問したところ、タイトル戦についてお話をいただきました。
その後の打ち合わせの中で、日本将棋連盟の普及の方針と、J:COMの子供たちの挑戦を支援したいという思いが一致し、現在の子ども将棋大会として結実することになりました。

小中学生の区別なく地区予選から全国大会に進むという他の大会にはない特色や、豪華なゲスト棋士など、日本将棋連盟、囲碁・将棋チャンネルのご支援や、熱心な子どもたちや保護者の方々のお陰で盛況さを増し、プロの棋士への登竜門の一つと位置づけられるまでになりました。

米長会長はその後病魔に侵され公式の場から離れておられましたが、2012年7月に東京スカイツリーで行われた第1回大会の表彰式には主賓として来場されました。残念ながらその年の12月に急逝されてしまいましたが、この大会を米長先生の遺訓の一つとして受け止めております。
今後も、将棋界の益々の隆盛のため、プロ棋士を目指す子どもたちの成長に少しでも貢献できる大会として、これからも一つ一つの大会を大切に、心を込めて主催してまいります。

奨励会支援および「J:COM賞」の贈呈

日本の将棋界を担う若者たちへ 奨励会支援と「J:COM賞」の贈呈

J:COMは日本将棋連盟内の棋士養成機関である奨励会の運営に活用いただけるよう、毎年寄付を行います。奨励会への企業支援は当社が初となります。また、新たに棋士となる四段昇段者のこれまでの精進・努力を称え、棋士として活躍して頂くことを応援できる品物を「J:COM賞」として贈呈します。今後の大一番で着用していただくことを願い、2021年度はスーツ仕立券を贈呈しました。
「J:COM賞」の授与は、大会に参加する子どもたちの目標となる存在になってほしいとの願いから、「J:COM杯 3月のライオン 子ども将棋大会」の会場を中心に行います。
奨励会からは、通常、年間4人がプロ棋士になり、また原則26歳までという年齢制限の中、才能あふれる子供たちが切磋琢磨し、人間形成する場でもあります。 J:COMは、プロ棋士という狭き門に向かって一途に取り組む若者たちを応援してまいります。

参考: 2021年 8月3日 News Release(309KB)

J:COM賞 受賞者

  • ※敬称略
受賞年度 奨励会3段リーグ 新四段昇段者
2025年度 第77回 岩村凛太朗 生垣寛人
片山史龍 山下数毅
第76回 齊藤優希 炭﨑俊毅
2024年度 第75回 獺ヶ口笑保人 吉池隆真
第74回 山川泰熙 高橋佑二郎
2023年度 第73回 宮嶋健太 上野裕寿
第72回 小山直希 森本才跳
柵木幹太
棋士編入試験 小山怜央  
2022年度 第71回 藤本渚 齊藤裕也
第70回 岡部怜央 徳田拳士
2021年度 第69回 横山友紀 狩山幹生
第68回 井田明宏 高田明浩

2025年度 贈呈式

岩村 凛太朗 四段
(2025/10/13子ども将棋大会東海大会内)

受賞コメント

将棋は4歳のとき、遊びに行った祖父の家で教えてもらいました。ルールを覚えてからは、まず詰将棋にはまり、5歳には詰将棋の創作も始めました。本格的に指将棋を始めたのは小学1年生になってからです。J:COM杯にも出場しましたが、そのときは年上の中学生に負けてしまいました。他にも多くの大会に出場をしていましたが、共に昇段した片山先生と出場した団体戦で「チーム納豆巻き」で準優勝した楽しい思い出もあります。

奨励会時代、中学2年生の頃にお腹の病気になり、対局中に救急車で運ばれたこともありました。当時は辛かったですが、奨励会の仲間や学校の友達が気を使ってくれて励みになりました。中高一貫の高校に通っていましたが、病気の影響で高校2年生から通信制に転校しました。外に出るのも厳しい時期があり、通信制になったことで自然と将棋の道しか残されないと思い、将棋に専念するようになりました。

棋士になってからは、仕事の依頼が増えました。特に詰将棋創作の依頼が多く、趣味だった詰将棋で仕事ができるのは嬉しいです。
師匠である飯塚八段は、普段「弟子に深く関わりすぎないようにしている」とおっしゃっていて、過剰な影響を与えないように配慮してくださっていますが、四段昇段時には、同門でともに昇段した片山先生と一緒に、食事に連れて行っていただいたり、革靴を買ってくださったりと、手厚くしていただきました。家族もプロになったことを静かに見守ってくれていて、これからがスタートという認識です。

今後は、佐藤康光先生のように、将棋の純文学と言われる矢倉を究めながら振り飛車を指すなど、王道の将棋を究めつつ個性を出して、見ている人を楽しませる棋士を目指していきたいです。今回一緒に昇段した同期の棋士たちとも切磋琢磨しながら、仲良くやっていきたいと思っています。

大会に参加している子どもたちには、将棋そのものを楽しんでほしいと思います。感想戦や交流の機会も大切にしてほしいです。

左からJ:COM大橋、山下数毅四段、片山史龍四段、生垣寛人四段、岩村凛太朗四段

生垣 寛人 四段
(2025/10/13子ども将棋大会東海大会内)

受賞コメント

父にルールや駒の動かし方を教わったことが、将棋を始めたきっかけです。
小学生の時、J:COM杯にも出たことがありますが、全国大会には行けませんでした。悔しい思い出もありますが、同世代の強い人たちと対局できたのは良い経験になりました。

奨励会に入ったときは、プロになることをそこまで強く意識していたわけではなく、入ること自体が目標でした。三段に上がったことで、プロが現実的な目標になり、そこから本格的に意識するようになりました。
三段リーグに上がってからは、二段や初段のときと比べて対局の空気が全然違って、相手の研究も深く、なかなか勝てない時期が続きました。自分なりにいろいろな戦法を試しましたが、やっぱり相手や準備の深さを感じることが多かったです。将棋を純粋に楽しめなくなってしまった時期もありましたが、もともと好きだった振り飛車に戻って指すことで、また楽しさを感じられるようになりました。

兄も将棋をやっていて、同じリーグで対局したこともあります。一年違いで奨励会に入りましたが、やっぱり負けたくないという気持ちはありましたし、良い刺激になっていたと思います。兄は今、三段リーグで頑張っています。

プロになってからは、対局やイベントなど新しい経験が増えました。師匠の井上先生からは相手に強いと思わせるために「最初に勝たないと駄目だ」とアドバイスをいただきました。井上門下の先輩方も毎年のように昇段されていて、研究会でもお世話になっています。

将棋以外では、ジョギングをしたり、旅行に行ったりすることで気分転換をしています。最近は浜松に行って、餃子やうなぎ、ハンバーグを食べました。

今後は、菅井(竜也)先生や久保(利明)先生のような振り飛車を得意とする棋士を目標に、いつかタイトル戦に挑戦できるよう努力していきたいです。将棋を楽しむ子どもたちには、自分なりの表現で将棋を楽しんでほしいと思います。

左から山下数毅四段、片山史龍四段、生垣寛人四段、岩村凛太朗四段

片山 史龍 四段
(2025/10/13子ども将棋大会東海大会内)

受賞コメント

6歳の誕生日にもらったゲームセットの中に将棋が入っていて、他にもチェスやオセロなどいろいろなボードゲームがありましたが、自然と将棋に夢中になりました。ルールは父から教わり、NHKの将棋番組や入門書を見ながら、毎日少しずつ将棋に触れていました。

J:COM杯には小学生の頃に参加していて、東京の大会でベスト8まで進んだこともあります。強い方々と対局し、プロの先生に指導していただいたことは、今でも印象に残っています。大会では緊張することも多く、昼ごはんが食べられないほどだったこともありましたが、将棋自体は楽しく指していました。

奨励会には10歳で入会し、約11年間在籍しました。特に三段リーグでは5年半在籍し、昇段のチャンスを2回逃してからは、なかなかモチベーションを保てず苦しい時期もありました。そんな中で、規則正しい生活を心がけるようになり、早寝早起きなど生活習慣を見直したことが、少しずつ結果につながったと思います。
今回、奨励会時代からの仲間と同時に昇段できたことも嬉しかったです。特に岩村くんとは小学校低学年からの付き合いで、将棋を通じていろいろな話をしてきたので、これからも切磋琢磨していきたいと思っています。

今後の目標は、まずフリークラスを突破して順位戦に参加することです。いずれはA級棋士になること、そして竜王戦で勝つことも目指して頑張りたいと思っています。タイトルはどれも取れたら嬉しいですが、「史龍」という名前に合う竜王戦で活躍できることを目指したいです。ちなみに名前は、両親が好きな三国志の趙雲子龍から名付けてもらいました。

私自身、楽しく将棋を指してきたことで強くなれたと感じています。将棋を楽しむ子どもたちには、1日10分でもいいので毎日少しでも将棋に触れること、新しい戦法に挑戦することなど、楽しみながら続けてほしいです。

左から山下数毅四段、片山史龍四段、生垣寛人四段、岩村凛太朗四段

山下 数毅 四段
(2025/10/13子ども将棋大会東海大会内)

受賞コメント

将棋との出会いは幼稚園の頃、iPadの詰将棋アプリに夢中になったことでした。最初は詰将棋ばかりやっていて、指す将棋はあまりしていませんでしたが、徐々に将棋そのものに惹かれていきました。幼稚園や小学校では将棋だけでなく、木登りやサッカー、ドッジボールなど体を動かすことも好きで活発な子供だったと思います。高学年になっても放課後は友達と校庭で遊んでいました。

奨励会に入ったのは小学校4年生の時です。幼稚園の頃から棋士になりたいと思っていたので、自然な流れでした。奨励会時代、竜王戦のランキング戦では結果を出すことができましたが、三段リーグからなかなか昇段できずに苦労しました。竜王戦は持ち時間5時間で休憩もあり、粘り強く指せる一方、三段リーグは1局90分で休憩なしなので、集中力を保つのが難しく、流れを断ち切れず負けてしまうことも多かったです。

プロになってからは、さまざまなお仕事をいただくようになり、改めて棋士になったことを実感しています。周囲の方々には将棋に専念できるようにたくさんの配慮や応援をいただき、本当に感謝しています。今後はフリークラスで活動することになりますが、目標は、一局一局を丁寧に指し、内容を高めていくことです。

最近は趣味のプログラミングを活かして自分でもAIの開発にも関わっています。棋譜を使わずにAIが成長していく姿を見るのはとても面白いです。自分自身はAIの強さにはまだまだ及びませんが、人間らしい将棋の魅力を大切にしていきたいと思っています。

最後に、マイペースに自分の将棋だけを考えてきましたが、将棋好きの子どもたちもそれぞれのスタイルを大切にして、結果だけでなく内容にもこだわって成長していってほしいなと思います。私も多くのことを学びながら、一局一局を大切に指していきたいと思います。

左から片山史龍四段、山下数毅四段、生垣寛人四段、岩村凛太朗四段

炭﨑 俊毅 四段
(2025/8/23子ども将棋大会関西大会内)

受賞コメント

私は保育園の年長の頃、すでに将棋が強かった同級生と指したのをきっかけに将棋を始めました。その後、祖母が探してくれた教室に通い始めたり、入門書に触れたりすることで、徐々に将棋の魅力に引き込まれていきました。J:COM杯 子ども将棋大会には、小学校3年生の時に交流クラスで、4、5年生の時には全国クラスに挑戦しました。決定戦で敗れて全国大会には進めませんでしたが、同年代との交流は良い経験となり、テレビで見た全国大会の様子も今でも覚えています。

プロの棋士になりたいと思うようになったのは、地元・姫路で開催されている人間将棋を小学生低学年の時に見たことがきっかけです。奨励会には小学校5年生で入り5年半過ごしました。奨励会に所属すると一般の大会に出場できませんが、両親や同門の支え、リーグ戦の結果などを気にしてくれる学校の友人の応援が大変励みになりました。コロナ禍には奨励会が休会になり、将棋をなかなか指せない時期もあり苦労しましたが、父の協力で様々な人とオンライン対局を重ね、実践を積むことができました。この頃に居飛車だけでなく振り飛車も取り入れるようになりました。三段昇段後はAIによる研究も取り入れ始めましたが、AIによる定石を覚えるためではなく、相手の手を読む力を高め、悪手を打たないようにするために活用しています。また、師匠の井上慶太九段に手紙で棋譜を見ていただき、非常に心強かったです。井上一門には強い兄弟子がたくさんいるので、それもすごく刺激になっています。

今は念願の棋士になり、子供のころからの夢が叶った喜びを実感しています。プロデビュー後、兄弟子である上野先生と指すことができたのも非常に嬉しかったです。今後は将棋で結果を残すことはもちろんですが、大学進学も目指していきたいです。以前は大学で将棋とまったく関係のないことを学ぼうと思っていましたが、やはり将棋が一番好きなので、ゲーム理論など将棋に関連することを学ぶのも良いかもしれないと考え始めています。

将棋以外では音楽が好きで、最近は放課後に友人とカラオケに行くこともあります。また、休日には好きな音楽を聴きながら、将棋の体力作りも兼ねて公園を散歩することもあります。

大会に参加している小中学生のみなさんには、一生懸命考えて楽しんで将棋を指してほしいと思っています。負けて悔しいという気持ちも大切ですが、勝ち負けだけでなく、将棋を楽しむ気持ちを大切に、続けていって欲しいです。

左から炭﨑俊毅四段、ジェイコムウエスト植田

齊藤 優希 四段
(2025/7/21子ども将棋大会北海道大会内)

受賞コメント

私が将棋を始めたのは、大工さんの祖父が趣味で作った将棋盤がきっかけでした。家が近かったので、祖父に将棋を教わりながら少しずつその楽しさに魅了され、教室に通い始めました。当時は無口で、先生のアドバイスにただうなずくだけの子供でしたが、その静かな環境で没頭できる将棋は自分に向いていたようです。北海道代表として全国の大会へ出場し、他の参加者たちと交流をする中で、奨励会の存在を知り、周囲の後押しもあり受験を決意しました。当初はプロを目指す意識は薄かったものの、一回目の試験に落ちた悔しさが本気で目指す原動力になりました。

奨励会では多くの苦労を経験しました。北海道から上京して一人暮らしを始めたタイミングで二段から初段に降段したときは、精神的に落ち込みました。また、年齢制限による退会の瀬戸際にいた時も物事を楽しむことが難しかったです。しかし、指導会に参加することで応援してくれる方々と出会い、その声援が大きな励みとなり孤独な戦いを支えてくれました。そして、同じ目標を持った仲間との友情は心の支えとなり、ともに将棋を楽しむことで励まされました。

四段昇段後は、表舞台で活躍できる喜びを感じるとともに、将棋やファンとの交流を存分に楽しんでいます。今後の目標は本戦入りを目指し、応援してくれるファンに感謝の気持ちを届けることです。自分にとっても将棋は大切な存在であり、支えてくれた方々への恩返しのためにも、目標に向けて進んでいきたいと思います。とはいえ、息抜きも必要なので、たまに遠出して登山に行くなど、自然に触れて将棋を忘れるようにもしています。最近は高尾山とさらにその奥に続く陣馬山に登りました。

将棋を楽しむ子供たちには、結果だけでなく無理なく自分が楽しむことが大切だと伝えていきたいです。あきらめずに続けていれば自然と奨励会を受験するチャンスが訪れます。自分も何年もかかり夢をかなえました。自分を見て自信につなげてもらえばと思います。

左からJ:COM大橋、齊藤優希四段

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