J:COM杯 子ども将棋大会
J:COMでは、小中学生に将棋の楽しさを知ってもらうとともに、将来の棋士を目指す小中学生の登竜門となることを願って2012年から「J:COM杯3月のライオン子ども将棋大会」を開催しています。
当初はJ:COMのサービスエリアのみで開催されていた地区大会でしたが、2019年からは東海地区・中国地区での開催もはじまりました。今後も、本大会を通し、子どもたちのプロ棋士を目指すきっかけづくりをお手伝いしていきます。
主催:J:COM、囲碁・将棋チャンネル / 共催:日本将棋連盟 / 協力:白泉社
- ※「過去の大会記録」「過去の全国大会特別番組」は子ども将棋大会公式サイトに移行しました。
大会について
本大会は初心者向けの「交流クラス」と、全国大会を目指す「全国クラス」に分かれており、「全国クラス」を勝ち抜いた上位入賞者は将棋会館でおこなわれる全国大会に臨みます。
各地方大会には豪華プロ棋士たちが来場し、トーナメント戦以外にも、プロ棋士指導対局や大盤解説等の催しをお楽しみいただけます。
全国クラス 対局
交流クラス 対局
プロ棋士指導対局
大盤解説
漫画「3月のライオン」
立ち読みコーナー
アプリ「将棋ウォーズ」
体験コーナー
大会に込められた想い
今年で第13回を迎える「J:COM杯3月のライオン子ども将棋大会」。本大会が生まれたきっかけについてご紹介いたします。
第1回大会表彰式の様子
上段 左から、故米長永世棋聖、J:COM田口
下段 獺ヶ口 笑保人さん(第1回大会優勝)
「J:COM杯3月のライオン子ども将棋大会」は2021年に記念すべき第10回を迎えました。
大会関係者の皆さんが、私を大会の「生みの親」のように言ってくださるのは大変名誉なことと思う一方、この大会が故米長永世棋聖(元日本将棋連盟会長)の一言から生まれたことを思い出さずにはいられません。
今から10年以上前、ある就位式のパーティで、米長会長(当時、以下同じ)にご挨拶をした際、名刺を見るなり「J:COMさんか。最近すごく伸びている会社ですよね。」と言われました。ゆっくり話がしたいということで、後日、将棋会館に米長会長を訪問したところ、「タイトル戦をやってくれないか」とのこと。私も「名人戦」をはじめいくつかのタイトル戦があることは知っていましたが、スポンサーや運営のことなど知る由もなく、ひとまず持ち帰りました。その後いろいろな話をさせていただき、現在の子ども将棋大会として結実することになりました。小中学生の区別なく地区予選から全国大会に進むという他の大会にはない特色や、豪華なゲスト棋士など、日本将棋連盟様、囲碁・将棋チャンネル様のご支援や、熱心な子どもたちや保護者の方々のお陰で盛況さを増し、プロ棋士への登竜門の一つと位置づけられるまでになりました。
米長会長はその後病魔に侵され公式の場から離れておられましたが、2012年にスカイツリーで行われた第1回大会の表彰式に主賓として来場されました。残念ながらその年の12月に急逝されてしまい、私はこの大会は米長先生の遺訓と受け止めています。将棋界の益々の隆盛のため、プロ棋士を目指す子どもたちの成長に少しでも貢献できる大会として、回を重ねていくことが私の責務だと思い、一つ一つの大会に心血を注いでいます。
JCOM株式会社 常務執行役員 田口和博
奨励会支援および「J:COM賞」贈呈
日本の将棋界を担う若者たちへ 奨励会支援と「J:COM賞」の贈呈
J:COMは日本将棋連盟内の棋士養成機関である奨励会の運営に活用いただけるよう、毎年寄付を行います。奨励会への企業支援は当社が初となります。また、新たに棋士となる四段昇段者のこれまでの精進・努力を称え、棋士として活躍して頂くことを応援できる品物を「J:COM賞」として贈呈します。今後の大一番で着用していただくことを願い、2021年度はスーツ仕立券を贈呈しました。
「J:COM賞」の授与は、大会に参加する子どもたちの目標となる存在になってほしいとの願いから、「J:COM杯 3月のライオン 子ども将棋大会」の会場を中心に行います。
奨励会からは、通常、年間4人がプロ棋士になり、また原則26歳までという年齢制限の中、才能あふれる子供たちが切磋琢磨し、人間形成する場でもあります。 J:COMは、プロ棋士という狭き門に向かって一途に取り組む若者たちを応援してまいります。
J:COM賞 受賞者
- ※敬称略
2024年度 贈呈式
獺ヶ口 笑保人 四段
(2024/10/14子ども将棋大会東海大会内)
受賞コメント
私は第1回J:COM杯子ども将棋大会全国大会に参加しましたが、まず大阪大会で優勝して、初めて全国の大会に行ける、東京に行けると嬉しかったことを覚えています。全国大会で優勝できたことはその後の自信につながり、奨励会にもつながったと感じています。
当時、表彰式の時に米長邦雄先生から「この子は羽生(先生)くらいにはなります」と声をかけていただき、スーパースターにそう言ってもらえてとてもやる気が出ました。
米長先生はお会いする前から尊敬していて、おもしろくてリラックスしていて自然体で、棋譜も鋭い手が多いところもとても魅力的です。
三段リーグに上がった時は、なかなか勝てずに苦しみましたが、将棋の時間を増やしたことと相手の情報収集と分析をすることを心掛けていました。苦しい時も励みになったのは、自分の知らないところでも、影で見てくれている方、長く応援してくれる方の存在です。そういう方々にも、これからもいい報告ができたらいいなと思います。
今は大学で脳神経のシナプスを観察するための超顕微鏡技術の研究をしています。棋士を続けながら、少しでも多くの病気を解明していきたいです。
大学の研究と将棋はスケジュール的にも意外と両立ができ、将棋をどうブラッシュアップして自分を強くしていくかということを考えていました。特に年齢制限ぎりぎりで初段に上がってからは、自分の棋譜を分析し、抜本的に直そうとしました。普段は研究や将棋に熱中していますが、通学時の自転車で群馬の赤城のからっ風を感じながら走ることがリフレッシュになっています。
棋士はロングランなので身体にも気をつけながら大きな大会で優勝したいです。一局一局を積み重ねていき、ゆくゆくは棋戦で優勝したいと考えています。
今の将棋を楽しんでいる小中学生は、フレッシュな頭がうらやましいです。自分もできることなら戻って一から鍛えなおしたい。みなさんにはそのチャンスがあると思うので、頭があつくなるまで考え続けて将棋を上達させてほしいなと思います。論理的な思考能力や頑張ったという経験も一生役に立つと思います。
(左からJ:COM田口、獺ケ口笑保人四段、吉池隆真四段)
吉池 隆真 四段
(2024/10/14子ども将棋大会東海大会内)
受賞コメント
小学1年生の時に学童スクールで友達に将棋を教えてもらい、面白いなと思ったことがきっかけで、両親に頼んで教室や道場に通うようになりました。J:COM杯の神奈川大会に出場したときは準優勝でとても悔しかったですが、後手横歩取りで楽しんで指した記憶があります。決勝戦で鈴木大介先生が解説をされていて、対局に集中しながらも、その解説が面白かったことを覚えています。
二段から三段へ上がれない時期が約2年半あり、コロナ禍ということもあって、学校で友達と話したり遊んだりする時間がなかったことと勝てない時期が重なりとても苦しかったです。
そんな時、友達から「大丈夫、いつか上がれるから信じてるよ」と言ってもらい、その言葉がとてもうれしく、励みになりました。小学生のころから親が「自分の好きなようにやりなさい」と言ってくれていたこともあり、将棋一本でやっていこうと思っていました。周りの友達は大学生が多いですが、この挑戦を応援してくれています。
尊敬している棋士は永瀬拓矢九段です。研究会をご一緒させていただく中で言葉では言い表せない熱量がひしひしと感じることができて、そういった経験からもこのようにプロになれたと思っています。なかなか真似できるものではないですが、まずは意識の部分で近づきたいなと思っています。
今後は、いろいろな棋士の先生と指す機会があるので、楽しみつつ、勝ち星を積み上げてゆくゆくはタイトルを獲得できるような棋士になりたいです。
将棋以外では、サッカー観戦が趣味で、特にリヴァプールのモハメド・サラー選手の一生懸命に走る姿や、カウンターを得意としているところが好きです。
将棋での得意な戦法は「右玉」で、ずっと続けていて今でも指すことがあります。相手に攻めさせて、逆にいきなり攻めにかかるまさにカウンターといえる戦法です。
将棋は、時に楽しみよりも、負ける怖さが勝ってくるときがありますが、気楽に思いつめ過ぎずに指すことが大事だと思っています。大会に参加する子供たちにも、将棋は楽しいから指しているという気持ちを忘れずにいてほしいです。
(左から吉池隆真四段、獺ケ口笑保人四段)
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