TCFD・TNFD提言への対応
J:COMは、「J:COMグループ 環境方針」に基づき、放送・通信設備の省エネルギー化、端末機器リサイクル、環境問題への取り組みの発信などを通じて、脱炭素社会の実現への挑戦、資源の有効活用、自然環境負荷の低減に取り組み、地球環境への貢献を進めています。
2026年度にはこれらの取り組みを経営戦略と一体的に推進するため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)およびTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言を参照し、事業活動と気候変動や自然資本との関係性、リスク・機会を分析しました。気候変動と自然資本は相互に影響しあっているため、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」について統合的に開示するとともに、適切に対応を進めていきます。また、環境課題の解決に資するサービスや事業機会の創出に取り組んでいきます。
ガバナンス・リスク管理
ガバナンス
サステナビリティ委員会において、気候変動、自然資本、資源循環に関わる事項ならびにそれらに関する指標や進捗状況について報告・議論を行っています。経営層のコミットメントのもと適切な意思決定とモニタリングを実施し、グループ全体で地球環境への貢献の取り組みを推進しています。
リスク管理
サステナビリティ委員会事務局が全社横断的にとりまとめを行い、各組織にて直接操業、サプライチェーン上流・下流における気候変動、自然資本、資源循環に関するリスクの特定および評価、対応策の策定を、外部専門家の助言のもと実施しています。特定したリスクと対策、指標と進捗をサステナビリティ委員会に報告し、経営レベルで議論しています。
戦略
シナリオ
気候変動のリスク・機会と事業インパクトを把握するために、 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)などが発行したレポートをもとに、脱炭素社会への移行が進み、気候変動が抑制される1.5°Cシナリオと、規制が強化されず、気候変動が進行し自然災害が激甚化する4°Cシナリオの2つのシナリオを選定しました。
また、TNFDのシナリオ分析に関するガイダンスに従い、推奨されている4つのデフォルトシナリオをもとに自然資本シナリオと気候変動シナリオを統合し、移行リスク(規制・市場意識)と物理リスク(気候変動・自然劣化)を再定義しました。その中からリスクの高さと起こりうる可能性を考慮し、以下の2つのシナリオを選択し世界観を設定しました。
シナリオ分析で設定した世界観
| シナリオ1(抑制シナリオ) | シナリオ3(進行シナリオ) | |
|---|---|---|
| 気候 |
IPCC AR6(SSP1-1.9)、IEA World Energy Outlook 2025 NZEシナリオ 産業革命以前から2100年までの気温上昇が1.5°C未満 |
IPCC AR6(SSP5-8.5) 産業革命以前から2100年までの気温上昇が4°Cに達する |
| 自然 | 生態系サービスは維持され、台風・豪雨・洪水などの自然災害の激甚化は抑制される | 生態系サービスの劣化が進行し、台風・豪雨・洪水などの自然災害が激甚化、都市部でのインフラ被害やサービス停止が増加する |
| 規制 | カーボンニュートラルや自然資本回復に向けた新たな環境規制が導入され、サプライチェーン全体で規制対応のためのコストが発生 | 新たな環境規制は導入されない |
|
技術 ・ 評判 |
環境配慮企業・技術・製品への投資が強化 省エネ設備への入れ替え等のコストが発生 |
環境配慮企業・技術・製品への投資が限定的 |
| 市場 | 消費者の環境配慮ニーズ・関心が高い | 消費者の環境配慮ニーズ・関心は低い |
リスク・機会と対応策
気候変動シナリオと自然資本シナリオを統合した2つのシナリオ、TNFD推奨ツールENCOREを用いたサプライチェーン上流・下流と直接操業における自然への依存・影響の分析、TCFD・TNFDの提言で示されているリスク・機会のカテゴリーをもとに、シナリオ分析を実施しました。分析の対象は、事業規模、GHG排出量、自然資本との接点、評価可能性などを踏まえ、ケーブル・プラットフォーム事業とソリューション事業とし、メディア・エンタテインメント事業と通販事業に関しては、今後分析・開示を予定しております。
当社バリューチェーンにおける気候変動や自然資本のリスクと機会、事業への影響度、対応策は以下の通りです。
| リスク・機会 | subject | 影響度※1 | 時間軸※3 | 対応策 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
抑制 シナリオ |
進行 シナリオ※2 |
||||||
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移行 リスク |
政策 法規制 |
炭素税導入によるエネルギー調達価格の高騰 | 気候 | 中 | ー | 短期 | ・エネルギー調達先・電源構成の最適化 |
| 炭素税導入や環境規制による機器や資材調達価格の高騰 |
気候 自然 |
大 | ー | 短期 | ・端末機器や梱包材のリユース・リサイクルの推進 | ||
| 技術 | GHG排出量削減のための設備投資 | 気候 | 小 | ー | 短期 |
・省電力機器の開発・導入 ・クラウド・仮想基盤の活用推進 |
|
| 市場 | 企業評判低下に伴う売上減少 |
気候 自然 |
中 | ー | 中長期 | ・脱炭素、資源循環、自然環境負荷低減の取り組み推進 | |
| 再エネ導入コスト増加 | 気候 | 小 | ー | 短期 |
・エネルギー調達先・電源構成の最適化 ・再エネ早期シフトによるエネルギー調達価格固定化 |
||
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物理 リスク |
急性 | 自然災害による通信・放送設備の被害増加 |
気候 自然 |
ー | 小 | 短期 | ・BCP対策と設備の冗長化 |
| 慢性 | 気温上昇に伴う空調コスト増加 | 気候 | ー | 小 | 中長期 | ・空調・温度管理の最適化 | |
| 気温上昇に伴う生産性低下と売上減少 |
気候 自然 |
ー | 小 | 中長期 |
・工事時期の分散調整やユニフォームの刷新 ・オンライン営業等の販売チャンネル拡大 |
||
| 機会 | 資源効率 | 営業車両削減によるコスト削減 | 気候 | 小 | 小 | 短期 | ・営業車ライドシェアサービスの拡大と車両台数の適正化 |
| 物流効率化による輸送コスト削減 | 気候 | 小 | 小 | 短期 | ・端末機器や資材の輸送におけるモーダルシフト推進 | ||
| 放送・通信設備や事務所の省エネによるコスト削減 | 気候 | 中 | 中 | 短期 | ・放送・通信設備の省エネルギー化と事務所の省エネ推進 | ||
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製品 サービス |
環境貢献サービスの売上増加 |
気候 自然 |
中 | ー | 短期 |
・太陽光パネル、蓄電池、グリーンメニューの販売拡大 ・環境貢献型サービスの拡充 |
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- ※1 2030年度時点での影響度(大:100億円以上、中:10億円以上100億円未満、小:10億円未満)
- ※2 抑制シナリオ:1.5°Cシナリオ+規制・市場意識が高まり自然劣化が進まない、進行シナリオ:4°Cシナリオ+規制・市場意識は維持され自然劣化が進む
- ※3 リスク・機会の顕在化時期(短期:2030年まで、中期:2035年まで、長期:2050年まで)
指標と目標
「地球環境への貢献」をマテリアリティに掲げ、サブマテリアリティとして「脱炭素社会の実現への挑戦」、「資源の有効活用」、「自然環境負荷の低減」を設定し、それぞれに対して指標と目標を定め、地球環境への貢献の取り組みを進めています。
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